1992 Fiscal Year Annual Research Report
マンソン裂頭条虫擬充尾虫が産生する成長ホルモン様物質についての研究
Project/Area Number |
03670193
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
平井 和光 鳥取大学, 医学部, 教授 (20093940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 宗嗣 鳥取大学, 医学部, 助手 (60111126)
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Keywords | マンソン裂頭条虫 / 擬充尾虫 / 成長ホルモン様物質 / 成長ホルモン / マクロファージ |
Research Abstract |
マンソン裂頭条虫擬充尾虫が産生する成長ホルモン(GH)様物質の特性を研究するために次のような実験を行った。まず、家兎血漿中のGH結合蛋白に本虫が産生するGH様物質が結合するのでヒト血漿中のGH結合蛋白(GH-BP)に本虫が産生するGH様物質が結合するか否かを観察した。即に、アフィニティ・クロマトグラフィによってGH-BPを精製した。Western Blott分析で29KDであった。このGH-BPを受容体としてラジオリセプター・セセイを行ったところ、^<125>I-GHとの結合活性が大変低く、GH様物質の添加により、GH-BPと^<125>I-GHとの結合が増加する現象が認められれ、今後の検討課題が生じた。次に、本虫の培養液が株化マクロファージ(A640-BB2株)のNO産生能に及ぼす影響を観察した。培養液マクロファージに加えるとインターフェロンγの有無にかかわらず、マクロファージ細胞質の発育を抑制し、さらにNO産生を若干抑制した。またインターフェロンγでプライミングされたマクロファージに培養液を加えると、対照に比較してNO産生が抑制された。一方、培養液を透析後、凍結乾燥したものを添加するとNO産生が促進した。このような培養液のマクロファージへの作用と培養液中のGH様物質との関係について検討するために、精製したGH様物質を用いて観察中である。 また一方、GH様物質の脂質代謝に対する作用を再検討するために、遊離脂肪細胞を用いてAdrenalin-induces lipolysisに対する培養液の影響を観察した。ゲル濾過により分画した培養液の各分画のAdrenalin-induced lipolysisに対する作用は、GH様物質を含む分画は、lipolysisを抑制し、他の1つの分画はlipolysisを促進した。これらの抑制、または促進する物質についてさらなる検討を進める予定である。
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[Publications] Soji Fukumoto: "Comparison of Isozyme Patterns Between Spirometra erinacei and Spirometra mansonoides by Isoelectric Focusing" Journal of Parasitology. 78. 735-738 (1992)
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[Publications] 平井 和光: "マンソン裂頭条虫擬充尾虫が産生する成長ホルモン様物質の特性" 寄生虫学雑誌.
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[Publications] 福本 宗嗣: "マンソン裂頭条虫擬充尾虫の排沽分泌物質のマクロファージに対する作用" 寄生虫学雑誌. 42(補). 127- (1993)