1992 Fiscal Year Annual Research Report
Pseudomonas cepaciaの産生する溶血物質の分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
03670216
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Research Institution | YAMAGUCHI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中澤 晶子 山口大学, 医学部, 教授 (40053053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 光子 山口大学, 医学部, 助手 (60107737)
津田 雅孝 山口大学, 医学部, 講師 (90172022)
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Keywords | Pseudomonas cepacia / 低分子溶血物質 / cepalycin / 抗真菌活性 / トランスポゾン変異 / cepalycin 産生遺伝子 / DNA型別 / 院内感染 |
Research Abstract |
1.P.cepacia JN106株の産生する耐熱性低分子溶血物質の精製法を改良した。菌体洗浄液をAmberlite XAD2に吸着・溶出し、逆相HPLCで精製した。溶血活性は2つのピークに検出され、UV吸収(220‐350nm)による等高線地図からいずれも純粋であることが示された。これらを溶出の順にcepalycin I,cepalycin IIと命名した。 2.cepalycinI,IIはおなじUV吸収スペクトルを示すが、OD当たりの溶血活性はcepalycinIIがcepalycinIの4倍であった。cepalycinIIをLC‐FAB Massで分析した結果、分子量240で‐OH基の存在が示唆された。また、薄相クロマトグラフィーや溶媒での溶解性から両親媒性であることが示された。 3.cepalycinI,IIはCryptococcus neoformansに対してほぼ同程度の抗真菌活性をもち、その強さは溶血活性を基準とするとamphotericinBに匹敵した。 4.cepalycinI,IIの溶血活性は1μMのコレステロールにより阻害された。 5.電子顕微鏡による観察から、cepalycinは赤血球にドーナツ状構造物を形成して溶血を起こすものと推定された。 6.先に分離した4種類の非溶血変異体のトランスポゾン挿入部隣接DNA断片をプローブとして、JN106と由来を異にする臨床分離溶血株と非溶血株、ならびに非溶血性の環境分離株における溶血物質産生遺伝子群の存在を調べた。遺伝子の1つは溶血株にのみ存在し、他の遺伝子は一部の非溶血株にも存在することが示唆された。これらの結果から、cepalycinはP.cepaciaの溶血株に広く分布する溶血物質であることが示された。 7.DNA型別法により、免疫不全患者に発生したP.cepacia院内感染を解析し、感染源が汚染ネブライザーであることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 西口 まゆみ、川瀧 美智子、久保田 小百合、瀧川 圭一、山岸 善文、根ヶ山 清、藤田 次郎、森田 敏子、中澤 晶子: "P.cepacia院内感染症の感染源の追及と対策" 環境感染. 7. 33-37 (1992)
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[Publications] Takigawa K, Fujita J, Negayama K,Yamagishi Y, Yamaji Y,Ouchi K,Yamada K,Abe M, Nakazawa T: "Nosocomial outbreak of Pseudomonas cepacia respiratory infection in immunocompromized patients with contaminated nebulizer devices" American Review of Respiratory Diseases (投稿中).
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[Publications] Abe M, Nakazawa T: "Isolation and characterization of new hemolytic substance,cepalycin, from Pseudomonas cepacia"