1992 Fiscal Year Annual Research Report
免疫グロブリン遺伝子の発現を制御するサイレンサー遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
03670252
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Research Institution | KYUSYU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中島 学 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50198074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 大介 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (70204914)
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Keywords | 免疫グロブリン遺伝子 / エンハンサー / サイレンサー / トランスジェニックマウス / 遺伝子発現調節 |
Research Abstract |
ヒト免疫グロブリン重鎖(IgH)遺伝子の転写制御に最も重要な働きをするDNAエレメントであるJ-Cイントロンエンハンサー(IgHエンハンサー)を構成するモチーフのうち、特にB細胞特異的な遺伝子発現に関与すると思われるHE2およびE6の二つのモチーフは、共にB細胞特異的に働くが、E6エレメントは非リンパ球系細胞ではサイレンサーとして作用する。E6結合タンパクは非リンパ球系細胞にも存在する。我々South western法及び機能的アッセイ法を用いて結合タンパクをコードする遺伝子の単離を試みたが、今までのところ、まだ成功していない。一方、その生体内での真の機能をトランスジェニックマウスの手技を用いて検討した。HE2モチーフを含むエンハンサー3′側欠失変異体は、IgHエンハンサー全長に匹敵する機能を有し、同程度の組織特異性を規定する活性を示した。さらにルシフェラーゼアッセイでの解析によって、HE2モチーフは単独でもB細胞特異的に転写を活性化することが細胞レベルで確かめられ、ヒトIgHエンハンサーの組織特異性については、HE2モチーフが主導的な役割を果たしていることが示唆された。一方、E6モチーフの転写活性化能はin vivoではB細胞特異性を十分に規定できず、いくつかの非B細胞でも活性が認められた。また、トランスジェニックマウスでは、IgHエンハンサーはB細胞の他に、脳の脈絡 細胞およびグリア系細胞でも機能し、免疫系と脳における遺伝子発現調節の共通性を示唆した。さらに、この場合もHE2モチーフが関与している可能性が示唆された。
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[Publications] Nakashima,M.,Nishimura,Y.,Watanabe,T.: "Recombinant human-mouse chimeric monoclonal antibody specific for human adenocarcinoma associated antigen." Hybridoma. 10. 1-9 (1991)
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[Publications] Nakashima,M.,Watanabe,T.,Koprowski,H.,Schuchter,L.,Steplewski,Z.: "In vitro expansion of melanoma specific,HLA restricted CD8^+ cytotoxic T lymphocytes." Cellul.Immunol.
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[Publications] Kitamura,D.,Kudo,A.,Schaal,S.,Muller,W.,Melchers,F.,Rajewsky,K.: "A critical role of 5 protein in B cell development." Cell. 69. 823-831 (1992)
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[Publications] Kitamura,D.,Rajewsky,K.: "Targeted disruption of the membrane exon of the chain results in loss of heavy chain allelic exclusion." Nature. 356. 154-156 (1992)