1993 Fiscal Year Annual Research Report
加齢及び栄養条件で発現が変動する未知マウス乳癌ウィルス調節領域の構造解析
Project/Area Number |
03670259
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小泉 昭夫 秋田大学, 医学部, 教授 (50124574)
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Keywords | マウス乳癌ウィルス / SHNマウス / LTR / オープリリーディングフレーム / Torpor / プロラクチン / Ca^<++>ATPase |
Research Abstract |
内因性レトロウィルスはゲノムを介し垂直に感染する。レトロウィルスの発現調節単位としてウィルスゲノム両端に存在するLTRが知られている。最終年度にあたる本年度の研究目標は(1)乳腺上皮の分裂増殖を促進させるプロラクチン(PRL)の脳下垂体での産生へのエネルギー制限の作用点を明らかにする事であり,次いで(2)PRLの脳下垂体からの分泌を制禦すると考えられる細胞内Ca^<++>調節因子へのエネルギー制限の影響を検討する事である。 1)脳下垂体でのPRL産生への影響:エネルギー制限により,脳下垂体重量が著しく減少した。この減少に並行し,細胞内RNA量,及びアクチンmRNAが減少した。また,PRLmRNAは,これらの減少よりさらに減少しており,脳下垂体でのPRLのmRNAが特異的に減少しているものと結論された。PRLmRNAの減少は,7ケ月齢マウス,18ケ月齢マウスで同程度に認められ、加齢の影響はないものと結論された。 2)細胞内Ca^<++>調節因子へのエネルギー制限の影響:細胞内Ca^<++>濃度を調節する因子として,Ca^<++>-ATPaseを例に,摂取エネルギー量,体温低下の影響を検討した。エネルギー制限を行った所,前年度報告した如く,Torpor状態となった。脳,肝,腎,唾液腺のマイクロゾームのCa^<++>-ATPase活性をTorpor状態における活性を評価するため,37-25℃で活性測定を行った。この結果,脳,肝,唾液腺で37℃においても活性の著しい減少がエネルギー制限によって認められた。一方腎においては,37℃の生理的条件下では,エネルギー制限によっても減少は認められなかった。これらいずれの臓器においても,体温の低下とともに,より著しく減少した。
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[Publications] A.Koizumi: "Energy Restriction That Irhibits Cellulan Proliferation……" Lab.Investigation. 68. 728-739 (1993)
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[Publications] M.Tsukada: "Energy Restriction Suppressed Microsomal Ca^<++>-ATPase‥‥" Mech.Ageing Develop.68. 183-189 (1993)
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[Publications] A.Koizumi: "Increase in Housing Temperature Can‥‥" Mech.Ageing Develop.71. 97-102 (1993)