1992 Fiscal Year Annual Research Report
バイオトキシコロジーからみた食品中蛋白質の腎への影響と予防医学への応用
Project/Area Number |
03670262
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳沢 裕之 東京大学, 医学部(医), 助手 (10200536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 攻 東京大学, 医学部(医), 教授 (60009933)
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Keywords | 腎 / 蛋白 / ホスホリパーゼ / Gープロテイン |
Research Abstract |
昨年度までに我々は、高蛋白食がPE特異的ホスホリパーゼA_2及びサイクロオキシゲナーゼを活性化させ腎系球体エイコサノイドの産生亢進を通して腎へモダイナミックスを変更させることを見い出している。本年度は、高蛋白食が腎系球体内のどのG-プロテインを介してPE特異的ホスホリパーゼA_2を活性化するのかを究明し、高蛋白食による腎へモダイナミックスの変更の経路を分子レベルで明らかにした。高蛋白食又は低蛋白食を摂取させたラット腎系球体を用いてG-プロテイン(G_<αs>,G_<αi2>,G_<αi3>,G_β)の定量をウェスタンブロッティング法で行った。高蛋白摂取ラット腎系球体では、低蛋白食摂取ラット腎系球体に比し、G_<αi2>・G_<αi3>量の低下及びG_β量の上昇が観察された。さらに、アンジオテンシンI変換酵素阻害剤の投与により、高蛋白食摂取ラット腎系球体で認められたG_<αi>・G_β量の変化は、低蛋白食摂取ラット腎系球体で観察されるレベルまで回復した。また、アンジオテンシンI変換酵素阻害剤の投与により、同様の変化がPE特異的ホスホリパーゼA_2活性においても認められた(平成3年度)。すでに、G_βがホスホリパーゼA_2を活性化することは明らかにされている。故に、高蛋白食摂取により、レニンーアンジオテンシン系の活性化が惹起され、アンジオテンシンIIによるG_βの活性化、その結果、G_βによるPE特異的ホスホリパーゼA_2の活性化が誘導されることが推察される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Yanagisawa et al: "Protein increases glemerular eicesanoid production and activity of related eazymes" Kidney lnternational. 41. 1000-1007 (1992)
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[Publications] H.Yanagisawa et al: "Protein intake affects levels of G-protein subunits G_<αi2>,G_<αi>;and Gβ in rat glemerular membranes" Kidney lnternational.