1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670271
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大前 和幸 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (60118924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 宏 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80217710)
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Keywords | 化合物半導体 / ガリウムひ素 / 時間断面研究 / 曝露濃度 / 健康影響 |
Research Abstract |
平成3年度に実施したフィールド調査の結果の解析を行い、以下のような結果を得た。 1.作業環境濃度測定および個人曝露濃度測定を、ガリウムひ素系半導体ウェハ製造の工程ごとに実施し、ひ素とガリウムの濃度を測定した。多くの工程で、通常の作業時の曝露レベルは非常に低いレベルであった。しかし、単結晶引き上げ工程の装置清掃作業では、比較的高いレベルのひ素粉塵に曝露していた。また、ウェハ切断作業で、比較的高いレベルのガリウムひ素粉塵に曝露されうる可能性があることがわかった。 2.ひ素の化学種別分離定量法により、尿中ひ素濃度を用いた生物学的モニタリングを実施した。その結果、ウェハ切断作業者の作業後の尿中無機ひ素濃度が上昇する可能性が示唆された。 3.健康影響評価:血液学的検査、肝機能検査、免疫学的検査、尿中ポルフィリン代謝物濃度測定により、ガリウムひ素系半導体ウェハ製造作業従事者の健康影響を評価した。いずれの項目も正常レベルであり、曝露との関連は認められなかった。 4.以上の結果から、ガリウムひ素系半導体ウェハ製造現場では、一部の作業でひ素あるいはガリウムひ素粉塵への比較的高い曝露があるが、作業に応じた保護具の使用を実施すれば、健康への影響は認められないことが明らかとなった。
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