1993 Fiscal Year Annual Research Report
大動脈硬化促進因子に関する予防的介入効果の生体膜レベルからの検討
Project/Area Number |
03670281
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
鏡森 定信 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (20019615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐山 三千雄 富山大学, 工学部, 助手 (30226055)
山上 孝司 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (20148167)
成瀬 優知 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (30135008)
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Keywords | アテローム硬化 / 予防的介入 / ビタミンC / 赤血球膜Na-KATPase / 喫煙 / 血清中チオシアネート |
Research Abstract |
アテローム硬化の病変として脳梗塞で代表される脳血管疾患の発生に対する予防的介入として老人保健法に基づく健診が実施されている。この健診の受診者では食生活や運動習慣に関して非受診者より健康的なライフスタイルにあり、そのことが高血圧や脳血管疾患の発生防止につながることを示唆する成績も受診者の追跡調査で確認した。集団において、脳卒中患者-対照研究を実施したところ、喫煙の指標である血清中チオシアネートが脳卒中の中でも脳梗塞の患者で統計的に有意に上昇していた。 さらに、喫煙者では血清中ビタミンC濃度が低値を示すことに着目し、高血圧関連細胞膜機能として赤血球膜Na-KATPase活性をオゾン曝露という酸化的ストレス下でモニタリングするという方法を追究してきた。前年度までには、オゾン曝露による酸化的ストレスにより赤血球膜Na-KATPase活性低下が、赤血球膜の過酸化脂質を増加させない濃度で生じることおよびそのIN vitro負荷試験を確立した。このオゾン曝露系を使用して、強力な生体内活性酸素スカベンジャーである尿酸およびビタミンCがオゾン曝露による赤血球膜Na-KATPase活性低下に対する防御効果があることがIn vitroにおいて確認した。 最後に血清中のチオシアネートとコチニンの喫煙の指標としての意義を検討した。それによれば、喫煙者の尿はAmsテストにより変異原性が認められ、これと血清中チオシアネート上昇との間に関連を確認した。しかしながら、血清中コチニンとの間にはこのような関連はみられなかった。アテローム硬化と変異原性の関連からみて、その予防的介入の評価の面からも血清中チオシアネートの有用性を提示した。なお、喫煙を中止することにより、血清中チオシアネートが減少することも観察しており、その医学的意義のみならず実用性の面からもその有用なことを確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 鏡森定信 他: "ヒト赤血球膜の過酸化脂質とNa-K ATPase活性との関係" 日本衛生学会誌. 47. 445 (1992)
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[Publications] 鏡森定信 他: "オゾン曝露による赤血球のNa-K ATPase活性とTBAの変化" 日本衛生学会誌. 48. 340 (1993)
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[Publications] Kagamimori S.et al: "Relationship between stroke and serum thiocyanate" Stroke. (予定).
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[Publications] Kagamimori S.et al: "Serum thiocyanate and urinary cotinine as indicator of mutagenic activity" Mutation Research. (予定).
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[Publications] 成瀬優知 他: "老人健診受診者の保健行動および生命予後" 日本公衆衛生学会誌. (予定).
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[Publications] 鏡森定信 他: "ライフスタイルと血清中活性酸素スカベンジャー" 日本衛生学会誌. (予定).