1991 Fiscal Year Annual Research Report
磁場の初期発生に及ぼす形態学的および細胞遺伝学的影響
Project/Area Number |
03670282
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
飯島 純夫 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (70114361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 達也 大阪大学, 医学部, 助教授 (20150310)
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Keywords | 磁場 / EMS / 胚盤胞 / 内細胞塊(ICM)の形成 / 姉妹染色分体交換(SCE) |
Research Abstract |
5ー10週令ICR系雌マウスに45時間の間隔でPMSとHCGを投与し、一夜雄と同居させ翌朝腟栓が見つかったものを妊娠マウスとし、その日を妊娠第1日とした。妊娠4日目にマウスから子宮を取り出し子宮の両端をカットした後、培養液によって子宮より受精卵を流出せしめた。 (実験1)受精卵のうち胚盤胞となっているものを集め、培養液を満たした8ーchamber dish中に各セル5ー6個ずつ加え、既知変異原であるEMSを25、50、100μg/mlの割合で添加し、さらに0.8Tの定常磁場に30分間暴露した群と非暴露の群とを設けた。6日間炭酸がス培養器中で培養を行った後、実体顕微鏡およびノマルスキ-式微分干渉装置下で観察した。形態学的な指標としては、(1)透明帯からの孵化、(2)培養皿への着床、(3)栄養芽細胞の萌出、(4)内細胞塊の形成、の4つである。 (実験2)実験1と同じ方法で採取した胚盤胞を培養液中に入れ、1Tの永久磁石の磁極間に置き、40時間培養後、姉妹染色分体交換の測定を行った。 EMSの濃度が増すにつれて、上記4つの指標の到達の頻度が有意に低下するという量反応関係が磁場暴露群と非暴露群ともに認められた。しかし、暴露群と非暴露群との間に有意な差は認められなかった。また、姉妹染色分体交換についても磁場暴露群と非暴露群との間で有意な差は認められなかった。実験1では室温で磁場へ暴露したため暴露時間を長くできなかったが、暴露時間の長さは1つの重要なファクタ-と考えられるので、今後は炭酸ガス培養器中に導入した永久磁石で磁場暴露を行って暴露時間を増やして検討を行う予定である。実験2の姉妹染色分体交換については、今後さらに既知変異原との複合影響についても検討する予定である。
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