1991 Fiscal Year Annual Research Report
ベ-チェット病における連鎖球菌特異的αβTCR陽性T細胞クロ-ンの樹立と役割
Project/Area Number |
03670334
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
小出 純 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70178193)
|
Keywords | ベ-チェット病 / γδ細胞 / T細胞クロ-ン / KTHー1細菌抗原 / 抗原特異的増殖反応 / DQ抗体 |
Research Abstract |
ベ-チェット病患者N.T例の末梢血T細胞と、APCとしての非T細胞とKTHー1細菌抗原と共に培養し、十分にγδ^+細胞が増殖してきたことをFACSにより確認したのち、クロ-ニングをくり返した。約2ケ月間、定期的にAPCと特異抗原で刺激しつづけたのち、2つのγδクロ-ン(B5ーD8,AーF6)と1つのγδライン(NTー1)を樹立できた。細胞表面抗原の検索をしたところ、両クロ-ンは共に、CD2^+、3^+、4^-、8^-、16^-、25^+、45RO^+、57^-、αβーTCRー、HLAーDR^+、TCR-γ/δー1^+、TCRーδ1^+、およびδTCSー1ーであったが CD56に関しては、B5ーD8が陰性であったのに対し、A4ーF6は明らかに強陽性であった。 かかるγδクロ-ンのKTHー1抗原に対する増殖反応は,自己APCのみ,抗原のみ、および両方添加時において、それぞれ1526,1984,および11462cpm(クロ-ンのみのコントロ-ル:865cpm)と、APCと抗原の両方が必須であった。かかるクロ-ンの増殖反応において、APCを自己のかわりに同種のAPCを用いた時は、有意な増殖反応は認められず、また、抗原をKTHー1以外のKTHー3、SSHー83、Strepto,saliv。,PPD,およびAllo抗原などを用いたところ,コントロ-ル(1426cpm)に比し,有意な増殖反応を認めたのは,St.saliv,(3044cpm),KTHー3(4216cpm)のみであったが,いずれもKTHー1添加時の9839cpmより明らかな低値であった。さらに、かかるクロ-ンの抗原特異的増殖反応に対して、自己APCとのMHC拘束性が存在するかをみるために、抗クラスI、DRおよびDQ抗体を用いたブロッキング実験を施行したところ、抗PQ抗体においてのみ46%の有意な抑制率を示した。以上、ベ-チェット病患者末梢血より、KTHー1抗原特異的自己DQ拘束性のγδ^+T細胞クロ-ンを樹立できた。
|