1992 Fiscal Year Annual Research Report
ベーチェット病における連鎖球菌特異的γδTCR陽性T細胞クローンの樹立と役割
Project/Area Number |
03670334
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
小出 純 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70178193)
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Keywords | ベーチェット病 / KTH-1抗原 / γδ細胞クローン / CD4^+T細胞ライン / NK細胞ライン / 細胞障害能 / 好中球活性酸素産生能 / CD44分子 |
Research Abstract |
一昨年以来、我々はベーチェット病(B病)患者N.T例の末梢血から新型Streptococcus sanquisの菌体抗原である、KTH-1抗原に特異的なγδ-TCR^+T(γδ)細胞クローンおよびラインを樹立してきた。今回、同じB病患者N.T例の末梢血から、KTH-1抗原特異的に反応するCD4^+・αβ-TCR^+T細胞ラインと、CD16^+・TCR-NK細胞ラインを樹立できたので、かかるγδ細胞ラインと比較検討した。その結 、KTH-1抗原でパルスした自己EBV変異性B細胞株を細胞障害できたのは、γδクローン化細胞のみであったし、抗原刺激後CD4^+ラインに比べ、明らかにγδ細胞のみが著明にTNFαを産生し、および、好中球の活性酸素産生能を亢進させたのも、刺激後γδクローンの培養上清のみであった。 以上より、B病の病因・病態に、TNFαを介してγδ細胞が中心的役割を果たしている可能性を示唆することができた。 また、かかるNTのcell line3種を使って、抗原パルス後のNET細胞との接着能をACASで染色してみたところ、γδ^+lineが明らかに強くNET細胞と接着していることがわかった。そこで、3つのcell lineをFACS IVによって、各種接着分子の陽性率と蛍光強度を比較検討してみると、数ある分子の中で、CD44のみが、γδ cell line(NT-1)で有意に蛍光強度が増加していることが明らかとなった。 さらに、抗CD44抗体によって、KTH-1抗原特異的細胞増殖がいかなる影響をうけるかみたところ、非常に低濃度(10ng/ml)の抗CD44抗体で、NT-1γδラインの有意な増殖亢進を認めた。これより、APCを介した抗原特異的γδ細胞の増殖に、CD44分子を介した細胞接着が重要な働きをしている可能性を示唆し、γδ細胞の活性化・増殖反応における、CD44分子の役割を検討する必要があると考えられた。
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[Publications] 小出 純・安倍 達: "連鎖球菌抗原特異的γδTCR陽性T細胞クローンの性質と機能" 日本臨床免疫学会会誌. 15. 665-668 (1992)
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[Publications] 小出 純: "γδT細胞と膠原病" リウマチ. 32. 252-265 (1992)
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[Publications] 小出 純: "ヒトTH1、TH2クローン-サイトカイン産生能、病態における意義" 臨床免疫. 25. 265-269 (1993)
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[Publications] 小出 純: "リウマチ病の診断と治療ハンドブック" 柏崎 禎夫;メディカルレビュー社, (1993)