1992 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患におけるHLA領域遺伝子および遺伝子産物の研究
Project/Area Number |
03670338
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Research Institution | Tokai University School of Medicine |
Principal Investigator |
守内 順子 東海大学, 医学部, 講師 (40125414)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / シェークシン症候群 / 重症筋無力症 / 強皮症 / 混合性結合組織病 / HLA / RFLP / 補体第4成分(C4) |
Research Abstract |
本年は昨年度に引き続き患者数を増やし自己免疫疾患患者のHLA,補体アロタイプ、染色体DNAのRFLPによる解析、PCRを用いてのHLA遺伝子型の決定を行なった。本年度は新しく、抗アセチルコリンレセプター抗体が発症に関与している重症筋無力症患者74例を加えた。対象とした患者数は、全身性エリテマトーデス(SLE)は計86例、シェーグレン症候群(SS):69例、強皮症(SSc):33例、混合性結合組織病と多発性筋炎(MCTD/PM):36例である。その結果を以下に示す。 1)SLE患者のうちDR4を有する例は腎障害を併発しやすいが中枢神経ループスに抵抗性であった。補体のC4Aのnull allele(C4AQO)を有する例は対象(1.6%)にくらべて高率(13.5%)に認められたが、RFLP法では白人SLEの報告と同様なC4A領域遺伝子の大きな欠損は認めなかった。したがって、C4A領域の遺伝子欠損がSLE発症を決定している可能性は低いと考えられた。 2) MGでは30歳以下に発症した女性患者にDR53,DPB1*0201,DQA1*0301が強い相関を示すことが判明した。これらのことは30歳以下の女性のMGの発症機序は他のMGと異なること、およびHLAクラス2の2つ以上の遺伝子が関与していることを示唆している。 3)SScは肺線維症合併例が非合併例に比して高率にDR2,C4AQO,Sc1-70を有しており、予後不良因子と考えられた。 4)MCTD/PM患者にはDR2.DQ1陽性例が多く、Jo-1陽性例はすべて肺線維症を合併しDR1.DQ1が高頻度であった。現在、PCR-RFLP法を用いて遺伝子型を決定しているところである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Moriuchi J: "Lack of deletion of complement C4 and steroid 21-hydroxylase genes in,Japanese patients with primary Sjogrens syndrome." J Rheum. 19. 700-703 (1992)
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[Publications] Morita K: "HLA class II antigens and DNA restriction fragment length Polymorphism in myasthenia gravis in Japan." Ann Neurol. 29. 164-174 (1991)
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[Publications] Horiki T: "HLA-DPB1 allele associates with carly-onset myasthenia gravis in Japan." Neurology. in press.
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[Publications] 守内 順子: "シェーグレン症候群の遺伝的背景。" 臨床免疫. 24. 363-370 (1992)
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[Publications] 守内 順子: "Sjogren症候群の遺伝的素因ーHLAクラスII、III領域遺伝子を中心としてー" 医学のあゆみ. 163. 21-24 (1992)