1992 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患モデルTNBenterocolitisに関する研究
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03670343
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
柴田 好 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60187408)
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Keywords | TNBS / 実験大腸炎 / 炎症性腸疾患 / 実験回腸炎 / 動物モデル / 内視鏡スコア |
Research Abstract |
trinitrobenzene sulfonic acid(TNBS)とethanolにより作成されるラットの遠位大腸炎およびイヌの回腸炎が長期間持続する潰瘍性病変を特徴とし,内視鏡的および病理組織学的にヒトのCrohn病に類似していることを明らかにした。また,ラットの実験大腸炎の内視鏡的scoring systemを確立した。 さらに,この潰瘍性病変の治癒が遷延する免疫学的背景について検討を行なった。 ラットに既報の方法でTNBSとethanolを注腸投与したのち,投与後3日目に内視鏡を施行し,明らかな潰瘍性病変の有無により動物を2群(ul(+)群,ul(-)群)に分けた。各群について腸管病変の経過と血中の抗TNBS抗体価および腸管の壁のTNBSの局在を検討し,以下の結果を得た。 1.ul(+)群では投与後3週目で77%の動物に潰瘍の存続を認め,さらに血中抗TNBS抗体価の高値を認めた。 2.ul(-)群では投与後3週目で明らかな病変を認める動物は見られず,抗体価も低値であった 3.ul(+)群では潰瘍周辺の組織内にTNBSの局在を認めた。 以上より局所における抗原の侵入と,これによる感作が腸管の潰瘍性病変の治癒を遷延させる原因のひとつであることを示唆していると考えられ,ヒトの慢性腸管炎症の病態の理解にも利するものである。現在,ラットのモデルで各種薬剤の効果を検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 柴田 好: "炎症性腸疾患の実験的モデルの作成と、その内視鏡的経過観察" 実験潰瘍. 19. 26-30 (1992)
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[Publications] 柴田 好: "TNBSを用いたイヌの実験的回腸炎とその意義" 日本消化器病学会雑誌. 89. 1395-1395 (1992)
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[Publications] 柴田 好: "Endoscopic scoring system for experimental colitis with trinitrobenzene sulfonic acid in rats" Digestive Endoscopy. 5. 13-17 (1993)