1993 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患モデルTNB enterocolitisに関する研究
Project/Area Number |
03670343
|
Research Institution | Asahikawa Medical college |
Principal Investigator |
柴田 好 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60187408)
|
Keywords | 実験腸炎 / 炎症性腸疾患 / TNBS colitis / 抗leukotriene / 内視鏡スコア |
Research Abstract |
平成3年度,平成4年度に引き続き,平成5年度はratのTNBS colitisモデルを用いて,この疾患モデルにおける薬物の治療効果について検討を行った。薬物および投与法は,5ASAの経口および注腸投与,抗leukotriene剤2種の経口投与を用いた。 実験法; TNBS colitis作成後3日目に内視鏡を行い,病変が作成されていることが確認された動物を薬物投与群および対照群に群別し,作成後3日目から21日目まで薬物を連日投与した。作成後7日目,14日目,21日目に内視鏡を行い,治癒経過をEndoscopic scoring criteriaを用いて評価し比較した。 結果; 1)5ASA100mg/kgの経口投与および注腸投与では,投与群で治癒が促進される傾向にあったが統計学的な有意差はなかった。 2)抗leukotriene剤のAS-35 300mg/kg(東京田辺製薬)の経口投与では,有意にスコア値の低値を認め治癒が促進されたと考えられた。この効果にはdose-responseが認められた。 3)抗leukotriene剤のTBX(東京田辺製薬)の経口投与では,投与群で治癒が促進される傾向にあった。dose-responseや統計学的処理については現在検討中である。 また,このモデルの成因の解析から,発症した動物における抗TNBS抗体の産生が確認されているが,AS-35 300mg,150mg/kgの投与で血中抗体価が減少することが明らかとなった。従ってこの薬物の作用機序の詳細は現在不明であるが,免疫系への影響があることが示唆された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Y.Shibata: "Experimental ileitis in dogs and colitis in rats with trinitrobenzene sulfonic acid-Colonoscopic and histopathologic study" Gastroenterologia Japonica. 28. 518-527 (1993)
-
[Publications] 垂石 正樹: "経口胆汁酸負荷試験からみたCrohn病における吸収障害の評価" 消化と吸収. 16. 94-97 (1993)
-
[Publications] T.Ashida: "Antigen deposition and immunological response in rat hapten induced colitis" Gastroenterology. 104(suppl). A662 (1993)
-
[Publications] 垂石 正樹: "逆行性回腸胆汁酸負荷試験-基礎的および臨庄的検討-" 北海道医学雑誌. 69(印刷中). (1994)