1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670356
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 哲夫 名古屋大学, 医学部, 講師 (80022838)
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Keywords | 膵腺房細胞 / 酵素分泌 / 細胞内メッセンジャ- / カルモデュリン / Cキナ-ゼ / G蛋白質 |
Research Abstract |
膵腺房細胞からの酵素分泌には細胞内メッセンジャ-としてCa^<2+>が中心的な役割を果たしている。カルモデュリンは代表的な細胞内カルシウム受容蛋白質であり、Ca^<2+>と複合体を形成して蛋白質リン酸化酵素を活性化する。膵腺房細胞からの分泌反応におけるカルモデュリン依存性蛋白質リン酸化酵素の役割については十分に解明されていなかった。そこでカルモデュリンの阻害剤(W7)、およびカルモデュリン依存性蛋白質リン酸化酵素(CaM Kinase II)の阻害剤(KN62)をもちいて膵腺房細胞からの酵素分泌反応に対する作用について検討した。Ca^<2+>とCキナ-ゼを細胞内メッセンジャ-とするCCK8やカルバコ-ル刺激下の酵素分泌反応はW7やKN62により抑制された。permeabilized cellを用いた実験では、Ca^<2+>単独刺激による酵素分泌反応はW7やKN62により影響を受けなかったが、Ca^<2+>とCキナ-ゼを刺激するTPAによる分泌反応およびCa^<2+>とG蛋白質を刺激するGTPγSによる分泌反応は抑制した。従って、膵腺房細胞からの分泌反応において、カルモデュリンはCa^<2+>と他の細胞内メッセンジャ-であるCキナ-ゼやG蛋白質との間の協調作用に重要な役割を果たしているものと考えられた。またCaM kinase IIは膵腺房細胞の分泌反応においても直接関与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)