1991 Fiscal Year Annual Research Report
膵石症に関する分子生物学的研究、膵石蛋白遺伝子異常の解析
Project/Area Number |
03670361
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 長逸 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (30196092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡林 克典 神戸大学, 医学部. 附属病院, 助手 (10233363)
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Keywords | 家族性膵尖 / pancreatic stone protein / PSP遺伝子 / polymerase chain veaction |
Research Abstract |
家族性膵尖の病因遺伝子を明らかにする目的で,膵石症発症と密接に関与するとされる膵石蛋白(pancreatic stone protein=PSP)遺伝子異常の有無を,2家系の家族性膵尖患者において検索した。正常対照者より得た白血球DNAを鋳型として,polymerase chain reaction法によりPSP遺伝子を増幅し,得られたPSP遺伝子をプロ-ブとしてサザン法にて患者末梢皿白血球DNAからPSP遺伝子の異常を検討した。さらに,polymerase chain reactionを法い,患者ゲノムDNAよりPSP遺伝子を増幅後、直接その塩基配列を決定した。しかしながら,両家系においてPSP遺伝子に明らかな欠失や,点変異等の異常を認めなかった。そこで,手術時に得られた一症例の膵組織のPSPの発現レベルを免疫組織学的に検討したところ,患者膵においては,慢性膵尖による進行した線維化像が観察されたが,腺房内のPSP活性の特異的減少は認められなかった。以上の結果よりエクソン部分を中心としたPSP遺伝子の異常は,今回検索の対象となった家族性膵尖患者の膵尖発症に直接関与していないように思われた。 最近では数々の遺伝子疾患がvestriction fragment length polymorphismをます多数の遺伝子マ-カ-を用いたリンケ-ジ解析により,その原因遺伝子が単離され,原因遺伝子の欠損や変異が見い出されている。家族性膵尖においても同様の手法を用いて,本疾患の病因遺伝子を解明することが今後必要であると考えられる。
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