1992 Fiscal Year Annual Research Report
劇症肝炎好発ラット(LEC)の脳内ペプチドとアンモニア・グルタミン酸代謝との関連
Project/Area Number |
03670375
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 俊一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10048275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
班目 健夫 岩手医科大学, 医学部, 助手 (40209466)
加藤 章信 岩手医科大学, 医学部, 助手 (50177424)
鈴木 一幸 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (00137499)
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Keywords | 劇症肝炎 / 肝性脳症 / LECラット / 脳内ペプチド / CLK / neurokinin A&B / アミノ酸 / アンモニア |
Research Abstract |
LECラットを用いて脳内ペプチド(CCK,nourokinin A&B)とアンモニア,グルタミン酸代謝との関連を検討した。CCKについては免疫組織化学的検討を行った。またSD系ラットを用いてグルタミン酸受容体拮抗薬(MK801)の効果を検討した。(1).脳症のないLECラットの大脳皮質ではCCK陽性神経細胞数は×125,一視野当り28.5±0.7であった。脳症I,II度ではCCK陽性細胞数は脳症のない場合と差がなかったが,脳症III,IV,V度では14.1±2.0と有意に減少した。この減少は脳内アンモニア,グルタミンの濃度と逆相関を示した。またCCK陽性顆粒は大脳皮質の全層に認められたが,神経線維では明確に認められなかった。(2).neurokinin A(NKA)とneurokinin B(NKB)はCCKと同様に神経伝達物質としての役割をもつとされている。脳症を認めるLECラットの脳のNKB-IR(pmol/g wet weight)は線条体では4.25±0.46,脊髄では8.09±0.85であり,脳症を認めないLECラットのそれぞれ7.84±1.03,12.45±0.55に比し有意に減少した。NKA-IRは脳症の有無により差を認めなかった。またNKB-IRの減少は血液アンモニア濃度と逆相関を示し,脳のアンモニア,グルタミン酸,グルタミンの動態よりみて,これらの代謝異常との関連を認めた。(3).脳症を認めるLECラットの脳のグルタミン酸は減少し,グルタミンは増加し,GABAは減少した。これらのアミノ酸の変動は脳の各部位において異った値を示した。(4).急性アンモニア負荷ラットにグルタミン酸受容体拮抗薬(MK801)を前投与すると,痙攣発作出現までの時間が短縮した。これは脳のアンモニア解毒機構としてのグルタミン酸からグルタミンへの代謝障害によりアンモニアの毒性が増強したためと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.madarame,S,Sato et al.: "Decriased Numbers of cholecystokinin Immuno-reactive Nerve Cells in the Cerebral Cortex of LEC Rats with a Hereditary Hepatitis." Neuropeptides. 22. 229-233 (1992)
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[Publications] 立石 カヨ子,佐藤 俊一ほか: "肝性脳症発症後のLECラットの脳脊髄におけるneurokinin Aおよびneurokinin B 免疫活性の変動。" 医学のあゆみ. 160. 153-154 (1992)
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[Publications] 鈴木 一幸,佐藤 俊一ほか: "急性アンモニア負荷ラットの神経症状ならびに脳内グルタミン酸,グルタミン代謝に及ぼすグルタミン酸受容体拮抗薬(MK801)の影響。" 医学のあゆみ. 162. 231-232 (1992)
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[Publications] 加藤 隆幸,佐藤 俊一ほか: "肝性脳症における脳内部位別神経伝達アミノ酸動態:肝炎自然発症LECラットを用いた検討。" 肝臓. 33(Suppl). 205 (1992)
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[Publications] 鈴木 一幸,佐藤 俊一ほか: "急性アンモニア負荷ラットの神経症状ならびに脳内グルタミン酸,グルタミン代謝に及ぼすグルタミン酸受容体拮抗薬(MK801)の影響。" 肝臓. 33(Suppl). 301 (1992)
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[Publications] S.Sato,A.Kato et al.: "LEC (Long Evans Cinnamen)Rats with Spontaneous Hepatitis as a Model of Hepatic Encephalopathy." The Journal of Iwate Medical Association. 45. (1993)