1992 Fiscal Year Annual Research Report
人胆汁中コレステロール結石形成促進因子及び抑制因子の分離精製とその臨床的応用
Project/Area Number |
03670383
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
青山 南圭 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60231106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 寛 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70192367)
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Keywords | コレステロール結石 / 抑制因子 / 促進因子 / cholesterol nucleation / Con A lectin / Helix pomatia lectia / 糖蛋白 |
Research Abstract |
コレステロール胆石症の治療に関しては近年、胆汁酸による溶解療法、超音波衝撃破砕療法など目覚しく進歩しているが、その成因機序に関しては論議の的であり未だ確立されていない。欧米の諸施設から胆汁中にコレステロール結晶の形成(Nucleation)と成長(Growth)を促進あるいは抑制するglycoproteinsの存在が報告されている。我々は、それら因子の胆汁中の量的バランスが、コレステロール結石の誕生に大きな役割を果たしていると考えてきた。そので、胆汁中に形成されるコレステロール結晶を分光光度計を使用して半定量的に測定するcholesterol nucleation&growth asssay法とゲル〓過法、レクチン・アフィニティー・クロマトグラフィー(Concanavalin A、Helix pomatia)、高速液体クロマトグラフィー等の諸蛋白分離法を組み合わせて、胆石患者と正常人胆汁を用いてコレステロール結晶の形成促進因子と抑制因子の分離精製を試みた。その結果、コレステロール結晶形成促進作用を有するヒト胆汁中糖蛋白はCon A lectin結合蛋白分画中に多く存在し、一方、抑制作用を有する糖蛋白はHelix pomatia lectin結合蛋白分画中に多く存在することがコレステロール結晶を分光光度計を用いて半定量的に測定するcholesterol nucleation&growth asssay法で確認された。現在、それぞれの糖蛋白分画をイオン交換とゲル〓過カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーで分離精製している。コレステロール結晶形成促進作用を有する糖蛋白分画に関してはSDS‐PAGE電気泳動上4つの蛋白バンドまで分離された。現在、これら糖蛋白のさらなる分離精製とmonoclonal antibodyの作成を試みている。
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