1991 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌転移細胞系の樹立とその生化学的および形態学的研究
Project/Area Number |
03670387
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
丹野 宗彦 (財)東京都老人総合研究所, 分子生物学・研究, 研究員 (90056862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 英夫 (財)東京都老人総合研究所, 臨床生理部門, 研究員
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Keywords | 大腸癌 / 転移細胞 / ヌ-ドマウス |
Research Abstract |
腫瘍組織は形態学的、生化学的および免疫学的に異なる細胞群より構成されていることが知られれている。転移能に関しても同一母地より発生した腫瘍組織でも個々の細胞についてもその転移能は異なると考えられる。転移能を有する細胞の形態学的特徴や生化学的変化を知ることは転移のメカニズムや転移予防方法を確立するうえでの極めて重要である。我々はその面の研究を行なう為には、まずより高い転移能を有する細胞を腫瘍組織より選択する必要があると考えている。そこでヒト大腸癌株、cell line SW 620をヌ-ドマウスの脾臓に植え込み、肝臓に転移させる方法を用いた。その転移細胞株をシャ-レに戻して培養し、再び脾臓へ埋め込み、そして又肝臓への転移させるという操作を現在迄13回操り返し行なった。この間約3年を経過している。この得られた第13代目の転移細胞株と元の株の形態学的、生化学的養異に関して検討中である。形態学的研究では電顕を用いて転移細胞におけるマイクロフィラメント、マイクロチュブルスおよび細胞膜の特徴について検討中である。生化学的研究では、その研究に先立ち、第13代目の転移細胞株の種としてのヒト細胞の特徴を保持しているのか、いないのか検討する必要があると考え、その点を検討する為、LDHのアイソザイムを添動法を用いて検討中である。ヌ-ドマウスの肝、大腸粘膜、筋肉、ヒト大腸粘膜、大腸癌、移転細胞株のアイソザイムパタ-ンの比較検討を行なっている。
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