1991 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肺におけるヒスタミン作動性神経線維の同定と病態への関与
Project/Area Number |
03670389
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 広平 東北大学, 医学部, 助手 (20200579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 明夫 東北大学, 医学部, 助手
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Keywords | ヒスタミン / LーHisTidine Decarboxylase(HDC) / cDNA / mRNA / alternative splicing / 抗体 |
Research Abstract |
我々はこれまで二種類のHDCcDNAクロ-ンを得ており、isozymeの存在の可能性を調べる為、既に報告した機能的HDCをコ-ドしているHDCcDNAクロ-ン(pTNー2)に加えて、pTNー1についても解析を行った。その結果pTNー1はpTNー2の塩基配列889番目に824塩基の挿入部分(A)を持ち、1336番目から1551番目までの部分(B)が欠如していた。したがってpTNー1及び2はalternative splicingによるmRNAに基づくものと考えられた。またPCRによる解析の結果A及びBを有するmRNAも存在することが確認され、更にノ-ザンブロットで認められた2.4及び3.5kb二種類のmRNAのうち大きなサイズのmRNAはAを含んでいることがわかった。A部分の塩基配列を決定すると配列中に多くの停止コドンを含み、実際にA及びBを有するクロ-ンやAを有しBが欠如しているクロ-ンを人工的に作成し、cos細胞に導入したが、HDC活性の発現はみられずisozymeの存在は確認できなかった。したがってAをふくむmRNAの生理的意義は現在のところ不明である。更に本研究の主要な目標の一つに抗体の作成があり、HDCcDNAクロ-ン、pTNー2の塩基配列1381番目から1713番目までのcDNA断片を発現ベクタ-に組み込み大腸菌に導入し、HDC蛋白部分である111アミノ酸残基を精製し、抗原として用いた。しかし抗原を家兎に免疫し、用いた抗原に対する抗体は得られたが、native HDCに対する沈降抗体は得られなかった。おそらく人工的に作ったHDCの蛋白部分が元のHDCとかなり異なるコンフォメ-ションをとるためではないかと推察された。免疫組織染色のためにはnative HDCに対する抗体が必須であり、今度はヒトHDC全蛋白を大腸菌にて発現させ、精製後にこれを抗原に用いて家兎に免疫し、ヒトHDCの抗体を作成したい。
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