1991 Fiscal Year Annual Research Report
抗モルモットIgEモノクロ-ナル抗体使用による気管支喘息の病理学的、薬理学的研究
Project/Area Number |
03670394
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 幸治 東京大学, 医学部・(病)物療内科, 教授 (10008310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高石 敏昭 東京大学, 医学部・(病)物療内科, 助手 (40154736)
森田 寛 東京大学, 医学部・(病)物療内科, 助教授 (60107620)
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Keywords | 抗モルモットIgE / 実験喘息 |
Research Abstract |
ヒトの気管支喘息の研究に実験動物を使用した喘息モデルは極めて有用である。モルモットは気道過敏性の亢進している動物で喘息をおこしやすいので最も適切な動物である。抗ヒトIgEがヒトのアレルギ-や喘息の研究に役立っているのと同様、抗モルモットIgEもモルモット喘息の研究に有用であるが、ポリクロ-ナル抗モルモットIgEは作製が極めて困難なため、我々のところしか保有していない。そこでモノクロ-ナル抗モルモットIgEを作製し、喘息の研究に役立てるとともに、多くの人が使用できることを目的とした。 すでに、我々により作製されているポリクロ-ナル抗モルモットIgEを高IgEモルモット血清と反応させ、immune complexをマウスに免疫して抗IgEを産生させた。このように免疫したマウスの脾細胞をマウス骨髄腫細胞と融合させ、hybridomaを作製し増殖させ、その分泌免疫グロブリンの抗IgE活性をEnzymeーlinked immunosorbent assayで調べ、抗IgE産生細胞をマウス腹腔内で増殖させた。 その結果、マウスIgM型モノクロ-ナル抗モルモットIgEの作製に成功した。これをモルモットに微量静注することにより気管支喘息およびアレルギ-ショックを生ぜしめることができた。しかし点鼻によっては喘息は生じなかった。これは抗体がIgG型ではなくIgM型のため、気道粘膜に進入しがたいためと思われた。抗IgE以外に、マウスIgG型モノクロ-ナル抗モルモットL鎖抗体、抗IgGI抗体、抗IgM抗体の作製にも成功した。後二者は精製IgEに混入した微量IgGI、IgMに対して産生されたものである。抗IgGIの微量(0.1〜0.01ng)のモルモット皮内注射により即時型皮膚反応を生ぜしめた。 これらのモノクロ-ナル抗体はこれまで全く報告がないので、モルモットのアレルギ-喘息の研究に有用と思われる。
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[Publications] 石井 彰,越野 健,村上 新也,猪 好孝,大田 健,桑原 麻恵,大利 隆行,伊藤 幸治: "抗モルモットIgE血清を用いた喘息モデルの検討" アレルギ-. 40(8). 939-939 (1991)