1991 Fiscal Year Annual Research Report
原発性肺癌に対する,腫瘍特異的感作Tリンパ球移入療法の基礎的・臨床的検討。
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03670395
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
張 高明 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (80227347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 栄一 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (30187710)
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Keywords | 原発性肺癌 / 腫瘍特異的感作Tリンパ球 / 養子免疫療法 / 肺癌細胞株 / In Vitro Sensitization(IVS) / 抗CD3モノクロ-ナル抗体 / Recombinant Interleukinー2 |
Research Abstract |
1.原発性肺癌・腫瘍細胞株の樹立と、その組織学的・免疫学的性質の検討 本年度は、外科的手術材料および癌性胸水より、4種類の肺癌細胞株を樹立した。小細胞性肺癌細胞株である、STCー1およびLC0709は、共に化学療法後に再発した症例に胸水から樹立された。また、非小細胞性肺癌細胞株、L0301は化学療法後に再発した症例の胸水より、LC0508Pは手術材料から得られた腫瘍細胞浮遊液より樹立された。STCー1、L0301、LC0508Pに関しては、CDDPを使用して、抗癌剤耐性株を樹立し、その組織学的特徴や感作リンパ球に対する感受性の検討を行った。特にLC0508Pにおいては自己末梢血単核球をResponderとして使用し、腫瘍細胞をstimulatorとして、培養開始時からRecombinant Interleukinー2(RILー2)を添加する、In Vitro Sensitization(IVS)培養を実施したが、誘導・増殖されたエフェクタ-T細胞は、In Vitroでは高い傷害活性を示しており、引き続き、その免疫学的性質について検討中である。 2.抗CD3モノクロ-ナル抗体(αーCD3MoAb)刺激による患者末梢血からのエフェクタ-T細胞の誘導・増殖とその臨床応用 最近、我々は担癌宿主自身のリンパ球をαーCD3MoAbで刺激後、RILー2で培養する、新たな感作培養法を開発し、そのIn Vivoでの抗腫瘍効果を中心に、報告してきた。この感作培養法の臨床応用として、進行性非小細胞性肺癌症例を対象に、化学療法と養子免疫療法を併用し、その治療効果の向上を観察している。培養バッグの利用、無血清培養液の使用、大型遠心機の利用などにより、培養方法、回収方法が飛躍的に簡略化されており、今後の症例の蓄積が待たれる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 三間 聡: "αCD3モノクロ-ナル抗体刺激による担癌宿主由来リンパ球からの抗腫瘍エフェクタ-細胞の誘導・増殖に関する検討" BIOTHERAPY. 5. 1210-1214 (1991)
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[Publications] 伊藤 和彦: "化学療法に養子免疫療法を併用した 非小細胞進行肺癌の1例" 肺癌. 32. 81-87 (1992)
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[Publications] 野沢 悟: "シスプラチン誘導多剤耐性肺癌細胞株の樹立と,自己リンパ球による細胞傷害性の検討" 肺癌. 32. (1992)
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[Publications] ITO,KAZUHIKO: "A nouel Chemoーimmunotherapy for adrranced nonーsmall lumg cancerーPilot studyー" The Jourmal of Immunstherapy. (1992)
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[Publications] 水沢 彰郎: "原発性肺癌症例末梢血から抗CD3抗体刺激とRecombinant interleukinー2によって誘導されたエフェクタ-T細胞" 日本胸部疾患学会雑誌. (1992)