1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670401
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山木戸 道郎 広島大学, 医学部, 教授 (50034103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石岡 伸一 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (10191868)
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Keywords | BAL / Idiopathic Pulmonary Fibr / osis / Sarcoidosis / RTーPCR / Cytokine |
Research Abstract |
気管支肺胞洗浄(BAL)細胞からの各種サイトカインの放出は,肺線維症,サルコイド-シスなどのびまん性肺疾患において数多くの報告がある。これらの多くはin vitroでのLPSやPHA刺激後のサイトカインの産生能を調べたものであり,無刺激の状態でのBAL細胞におけるmRNAレベルでの発現を検討したものは未だ少なく,我々はこれらびまん性肺疾患BAL細胞における各種サイトカインのmRNAレベルでの発現を検討することを目的としてreverse transcription palymerase chain reaction(RTーPCR)法を用いた実験を開始した。 対症は特発性肺線維症(IPF)3例,サルコイド-シス4例,好酸球性肺炎2例,健常者3例。2×10^6個のBAL細胞からpoly(A)+RNAを分離抽出し,MーMLV reverseーtranscriptaseを用いてcDNAを合成し,各種サイトカインに特異的配列を持つプライマ-を用いてPCRを行った。PCR産物は2%アガロ-スゲル上で電気泳動を行い,エチジウムブロマイド染色し,紫外線励起下にバンドが検出されたものを陽性とした。 サルコイド-シス患者BAL細胞について従来報告されているILー1,ILー2,ILー8,TNFα,IFNγの発現が本実験でも高率に認められた。一方,IPFにおいてこれらのサイトカインの発現はサルコイド-シスに比しいずれも低率であった。 現在,preliminaryな実験段階であり,今後,喫煙の影響,年令,性差等の因子による影響を健常者に関して十分に検討した上で,疾患特異的発現,及び疾患の活動性,病期による発現の差を検討し,これらサイトカインの,肺病変形成上の役割をその相互作用も併せて考察する予定である。
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