1992 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息患者の気管支粘膜生検組織におけるサイトカイン遺伝子発現に関する研究
Project/Area Number |
03670408
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
福田 健 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (90088873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿久津 郁夫 獨協医科大学, 医学部, 助手 (90184126)
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Keywords | 気管支喘息 / 気管支粘膜 / IL-5 / mRNA / cDNA / in situ hybridization |
Research Abstract |
本年度は昨年度の研究でほぼ確立できた非放射線標識cDNAプローブを用いた気管支粘膜生検標本のin situ hybridization法を駆使して、喘息患者気道粘膜におけるIL-5mRNA発現と各種パラメーターの関係を検討した。生検標本は瞬間的凍結固定によるものと、ホルマリン固定パラフィン包埋保存のものを用いた。(1)IL-5mRNA発現とT細胞浸潤の関係:IL-5mRNA発現細胞数はCD4陽性T細胞が多い組織ほど多かった。気道においては肥満細胞、好酸球もIL-5mRNAを発現するとされているが、今回得られた所見は、重要な産生細胞はT細胞であることを示唆した。(2)IL-5mRNAの発現と好酸球浸潤の関係:ホルマリン固定組織をハンセル法にて好酸球染色し、同標本におけるIL-5mRNAとの関係を検討してみると、IL-5mRNA発現細胞が多い細胞ほど、好酸球浸潤の程度は高度であった。IL-5は好酸球の遊定、延命に関与するサイトカインであることが知られているが、気道粘膜での存在は、これらのメカニズムが生体内でも働いていることを示すものである。(3)IL-5mRNAと好酸球活性化の関係:EG2モノクローナル抗体に陽性の細胞は活性化好酸球とされている。この染色によりIL-5mRNA発現との関係を調ベてみると、IL-5mRNA発現細胞の多い組織標本ではEG2陽細胞が多く、気道粘膜での好酸球活性化にIL-5が実際に関与していることが示された。(4)気道粘膜組織におけるIL-5蛋白存在の証明:mRNA発現のみではIL-5が気道で産生されていることの直接の証明にならない。そこで、抗IL-5抗体(NC17)を用いて生検組織を免疫染色しIL-5蛋白の存在を調べた。その結果、IL-5陽性細胞が明らかに存在することが判明し、転写のみならずIL-5蛋白が実際に行われていることが証明された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] FUKUDA,T.: "Detection of IL-5mRNA in bronchial biopsies from asthma by non-radioaccive in situ hybridization" J.Allergy Clin.Immunol. 89. 213 (1992)
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[Publications] 福田 健: "気道粘膜内好酸球浸潤とT細胞" 第41回日本アレルギー学会イブニングシンポジウム記録集. 6-12 (1992)