1991 Fiscal Year Annual Research Report
Adrenoleuko dystrophyの発症機序に関する免疫学的研究
Project/Area Number |
03670413
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 恵子 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (30217020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮武 正 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (50048998)
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Keywords | Adrenoleukodystrophy / 脱髄 / モノクロ-ナル抗体 / ミクログリア |
Research Abstract |
adrenoleuko dystrophy(ALD)の脱髄病変形成に免疫学的機序が考えられるため、脳に浸潤している細胞群の性質を明らかにする目的で、市販の各種モノクロ-ナル抗体を用いて免疫組織化学的検索を行った。保存状態の良好な剖検組織が得られず、免疫染色の安定性に問題を残しているが、脳実質内に浸潤しているリンパ球は活性化されたCD4陽性細胞が優位を占めており、マクロファ-ジの浸潤も認められた。血管周囲ではB細胞が約10%、CD4陽性細胞が約25%、CD8陽性細胞が15%の頻度で認められた。さらに、マクロファ-ジとミクログリアを区別するため、ヒト胎児脳よりミクログリアを分離し、これを抗原として、マウスにモノクロ-ナル抗体を産生させた。これらのモノクロ-ナル抗体を脳の切片とヒト末梢単核球とを用い、それぞれ免疫組織化学的およびFACS分析を行って中枢神経グリア細胞あるいは末梢血単球分画に反応する抗体を産生しているクロ-ンをスクリ-ニングした。その結果、5つのクロ-ンが得られたが、ヒト末梢血単球とは反応せずグリア細胞とのみ反応するミクログリア特異的と考えられるクロ-ンはいまだ得られていない。 さらに本症の発症に関与する細胞を明らかにする目的で、患者末梢血および脊髄液中よりT細胞クロ-ンを確立するための試みを繰り返しているが、いまだクロ-ンを得るには至っていない。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] R.Koike,S.Tsuji,T.Ohno,Y.Suzuki,T.Orii,T.Miyatake: "Physiological sighificance of fatty acid elongation system in adrenoleukodystrophy" J.Neurol.Sci. 103. 188-194 (1991)
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[Publications] 辻 省次,近藤 類,小池 亮子,宮武 正: "神経研究の進歩" 医学書院, 10 (1992)