1991 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミン神経系のヒト脳内の局在と神経変性疾患での病態に関する免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
03670418
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 慎一 京都大学, 医学部, 助手 (20231475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋口 一郎 京都大学, 医学部, 助教授 (30115779)
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Keywords | ヒスタミン / モノアミン酸化酵素 / ヒト / 視床下部 |
Research Abstract |
モノアミン酸化酵素をヒト剖検脳で検出する方法を見いだした(Acta Neuropathologica 80、419ー524,1990)。ヒスタミンのヒト脳での分布を明らかにする目的でヒスタミンの代謝産物であるメチルヒスタミンの分解酵素とされているモノアミン酸化酵素のヒト脳での組織化学的局在を検討した。ラット脳ではヒスタミンとヒスタミン合成酵素は視床下に局在していることがあきらかにされている。そこで、ヒト剖検脳の視床下部の最吻側より最尾部までについて、モノアミン酸化酸素組織化学をおこなった。その結果、以下のことがあきらかとなった。1)モノアミン酸化酵素陽性神経細胞はヒト視床下部の尾側2/3に分布していた。2)陽性神経細胞は中型もしくは大型で2ー4本のprimary dendriteを有する多極性もしくは双極性の形態であった。3)最吻側では、前交連のレベルで出現し、主として外側核および側脳室周囲に散在していた。さらに尾側では陽性細胞の数が増加し、外側核、tuberomammillary nucleusに多数の陽性神経細胞が染色された。腹内側核、lateral tuberal nucleusには陽性細胞はみられなかった。陽性神経細胞が最も多数出現したのは乳頭体の吻側1/3のレベルであった。このレベルでは外側核、tuberomammillary nucleus、posterior nucleusに高密度に分布していた。これより尾部では陽性神経細胞は少数となり、posterior nucleusと乳頭上交叉に散在していた。 以上の染色結果を他の哺乳類での報告と比較すると、ヒト視床下部でのモノアミン酸化酵素含有神経細胞の分布はヒトにおいてより広汎であり、非常に発達していることがあきらかになった。これらの神経細胞の一部はヒスタミン神経細胞と考えられ、ヒト脳ではヒスタミン神経系が他の哺乳類に比してより発達していることが推測された。
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[Publications] S.Nakamura: "The histochemical demonstration of monoamine oxidase containing neurons in the human hypothalamus" Neuroscience. 44. 457-463 (1991)
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[Publications] 安原 治: "アルツハイマ-型痴呆の視床における老人斑の分布とアセチルコリンエステラ-ゼ染色" 臨床神経学. 31. 377-382 (1991)
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[Publications] S.Nakamura: "βーAmyloid precursor proteins and neurotransmitter function" Excerpta Medica, 107 (1991)