1991 Fiscal Year Annual Research Report
常染色体劣性遠位型筋ジストロフィ-症(三好)の本邦における実態と遺伝子異常の究明
Project/Area Number |
03670419
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
川井 尚臣 徳島大学, 医学部, 助教授 (00035461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土橋 孝之 徳島大学, 医学部, 助手 (90188566)
増田 健二郎 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (00165713)
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Keywords | 筋ジストロフィ-症 / 常染色体劣性 / 遠位型 / 遺伝子 / 染色体異常 |
Research Abstract |
本年度の研究計画である下記の1、2について研究を行った。 1.常染色体劣性遠位型筋ジストロフィ-症(三好)のアンケ-ト調査例、並びに文献上にみられた症例の臨床的並びに遺伝学的検討。全国56施設に本症についてアンケ-ト調査(一次調査)を行い。35家系、48例(文献例5家系に重複していない症例)の本症症例が確認された。地域的には患者は、北海道、本州、九州、四国にみられたので、全国的に存在すると思われるが、地域的に偏りの有無についてはなお症例が少なく、次年度に行う第2次調査の結果を待ち結論を出したい。発症年齢は12歳〜35歳、平均18歳で、男女比は1:1.2、分離比は0.23、浸透率は0.92と計算された。これらの遺伝的数値は、従来の自験例で得られたものとほぼ同じ値であった。臨床的には、近位筋が比較的早期より萎縮する症例や萎縮の軽い筋に筋球がみられるものがあることや、さらに、本症に特徴的な起立様式があることなども新しく明らかにされた。 2.原因遺伝子の存在染鉄体と染色体上の局在部位。染色体異常の有無を、自験例、アンケ-ト例、並びに文献例について検討した。その結果、異常が認められたのは自験の1家系(6名)のみであった。本家系では、発端者に第16染色体の長腕に異常(詳細は省略)がみられ、この異常は、母と母方のおじ3名とおば1名にもみられた。父と父方の家系員にはなかった。母と娘(1人)(染色体異常なし)には血清CK値の軽度上昇が認められ、ヘテロ接合体と考えられた。染色体異常がみられた家系員には筋症状がなく、本染色体異常と本症とが関係あるとは断定できないが、発端者は、父方の本症遺伝子と母方の本染色異常関係の本症遺伝子とのホモ接合型である可能性が考えられる。現在、この異常染色体の遺伝子解析を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 乾 俊夫,木村 千代美,足立 克之,川井 尚臣: "常染色体劣性遠位型筋ジストロフィ-症(三好型)にみられた筋球様の筋膨隆" 臨床神経学. (1992)
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[Publications] 川井 尚臣: "新筋肉病学(印刷中)" 南光堂, 7-8 (1992)