1991 Fiscal Year Annual Research Report
心筋における弛緩特性,細胞内Ca^<2+>,筋小胞体Ca^<2+>ーATPase発現の相関
Project/Area Number |
03670440
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
百村 伸一 東京大学, 医学部・(病), 助手 (10190985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 利之 東京大学, 医学部・(病), 助手 (40236302)
大谷 余志 東京大学, 医学部・(病), 助手 (90203827)
芹澤 剛 東京大学, 医学部・(病), 講師 (90143429)
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Keywords | 心筋細胞 / 心肥大 / 心筋弛緩特性 / 細胞内Ca^<2+>動態 / 筋小胞体Ca^<2+>ーATPase |
Research Abstract |
本研究の目的は,心筋の弛緩特性,細胞内Ca^<2+>濃度,筋小胞体Ca^<2+>ーATPaseの発現を細胞レベルで定量的に対比することにあった。特に本年度は,(1)ニワトリ胚由来の培養心筋細胞を用いたin vitro心筋肥大モデルの確立,(2)成動物より心筋細胞を単離する方法の確立,(3)培養ならびに単離心筋細胞における,細胞内Ca^<2+>濃度および細胞運動計測法の確立,(4)分子生物学用実験設備の拡充,等を目標とした。以下,本年度の実績を要約して示す。 (1)in vitro心筋細胞肥大モデル:ニワトリ胚由来の培養心筋細胞を2日間無血清培地にて培養した後,10〜20%胎仔牛血清投与下でさらに2日間培養を行った。その結果,Munro法により求めた全RNA含量は,対照群(無血清培地で引きつづき培養)に比して,100%以上増加した。今後は,さらにDNA含量,タンパク含量,細胞表面積の変化について検討を行う予定である。また,bFGF等の純粋な成長因子の効果も検討する。 (2)心筋細胞の単離:成ラットおよびモルモットより,Ca^<2+>抵抗性の心筋細胞を単離することに成功した。今後は,心筋症ハムスタ-より,心筋細胞の単離を試みる予定である。 (3)心筋細胞内Ca^<2+>動態および細胞運動の計測:培養ならびに単離心筋細胞において,indoー1を用いた細胞内Ca^<2+>濃度の測定と,motion decectorを用いた細胞運動の解析を同時に行った。細胞内Ca^<2+>シグナルのdecayは,胎仔牛血清投与後24時間の培養心筋細胞において,対照群(無血清培地のみで培養)に比して有意に遅延していた。 (4)分子生物学的実験設備:いわゆる“RNase free environment"の確立に成功し,良質なRNAを,十分量,再現性をもって抽出することが可能になった。今後,Northarn Blot解析による筋小胞体Ca^<2+>ーATPaseの発現レベルの検討を行う予定である。
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