1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670447
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 隆之 名古屋大学, 医学部, 講師 (10111840)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 健二 名古屋大学, 医学部, 医員
|
Keywords | 1,2-diacylglycerol / hypertrophy / myopathic hamster / monocrotaline / heart failure / fatty acid composition |
Research Abstract |
心筋の肥大を示し、その後心不全に陥るモデルとして、心筋症ハムスターとモノクロタリンによって誘発される右心不全モデルがある。これらのモデルにおけるプロテインキナーゼCを活性化する生理的物質1,2-ジアシルグリセロール(DG)の変動を測定した。この物質の心筋含有量は加齢とともに減少し、心筋症ハムスターでは、30日齢では1,2-DGが19%上昇し心筋症の進展に関与する可能性が示唆されたが、90日齢では変化がなくなり、心不全が進行してくる160日、240日齢に各々20%、40%徐々に減少し、心不全時の細胞内情報伝達機構の異常が考えられた。同時に心筋の脂質量の減少も観察され、リン脂質やトリグリセライドの脂肪酸構成の変動と1,2-DGの脂肪酸構成の変動が似て、心不全時の全般的な脂質代謝の異常が考えられたが、なかんずく、1,2-DG量の減少が対照群の半分以下と著明であり、心不全の程度とより相関が示された。また同様に、ラットにモノクロタリン投与によって、右室肥大が形成される時期の2週目では右室筋のみの55%の1,2-DGの上昇が認められるが、右心不全が起こってくる第4週目になるとかえって右室筋の1,2-DGが減少を示し、心筋症ハムスターでみられた左室筋と同様の結果を得た。しかし左室筋では対照群との差はみられなかった。また、1,2-DGに含まれる1,2-DGの脂肪酸組成には差がなかった。
|
-
[Publications] Kenji Okumura: "Changes in ventricular 1,2-diacylglycerol content in rats following monocrotaline treatment" Cardiovascular Research. 26. 626-630 (1992)
-
[Publications] Kenji Okumura: "Decreased 1,2-diacylglycerol levels in myopathic hamster hearts during the development of heart failure" Journal of Molecular and cellular Cardiology. 23. 409-416 (1991)