1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670447
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 隆之 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10111840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 健二 名古屋大学, 医学部, 医員
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Keywords | 1,2-Diacylglycerol / Hypertrophy / Thyroid Hormone / RNA / Fatty Acid Composition |
Research Abstract |
心肥大のモデルとして、サイロイドホルモンによる心肥大が知られている。これはサイロイドホルモンによる心血行動態の負荷増大によるというより、心筋細胞の蛋白質含成促進によるものと理解されている。1,2-ジアシルグリセロール(DG)の上昇が、このモデルでもみられるかを検討した。1,2-DGの測定はより正確に定量できる様、内部標準として1,2-dipentadecanoinを用いた。この方法は1,2-DGの構成脂肪酸を定量的に測定できる利点がある。ラットに毎日T3 2mg/kgを投与すると3日後には39%、7日後には61%の心肥大がみられた。この肥大は、蛋白質合成阻害剤であるcycloheximide(CHX)1mg/kg・dayの投与により一部抑制された。左室のRNA量はT3により増加し、CHXによりT3群より更に上昇した。1,2-DG量はRNA量が増加するにつれて減少しCHX投与により更に減少した。特に7日目の1,2-DGの減少は3日目に比べて著明であった。その1,2-DGの減少は主に1,2-DGを構成する16:0、18:1、18:2、20:4によって占められた。RNAと1,2-DGの変動の結果は1,2-DGの減少の前にRNAの上昇があることを示唆した。このモデルの心肥大はプロテインキナーゼCの活性化を含まなくて直接核内にあるT3レセプターを刺激することによりひきおこされる心肥大のため1,2-DGの上昇は必要でないと考えられた。むしろCHXの蛋白質合成阻害作用によるRNAの上昇と1,2-DGの減少の結果を考えるとRNAの上昇は、1,2-DGの減少を来たし、プロテインキナーゼCの活性化を弱めるというフィードバック機構が考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kenji Okumura: "Changes in ventricular 1,2-diacylglycerol content in rats following monocrotaline treatment" Cardiovascular Research. 26. 626-630 (1992)
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[Publications] Kenji Okumura: "Decreased 1,2-diacylglycerol levels in myopathic hamster hearts during the development of heart failure" Journal of Molecular and Cellular Cardiology. 23. 409-416 (1991)
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[Publications] Kenji Okumura,Takayuki Ito,et al: "Enalapril reduces the enhanced 1,2-diacylglycerol content and RNA synthesis in spontaneously hypertensive rat hearts before established hypertension" Molecular Cellular Biochemistry. 112. 15-21 (1992)
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[Publications] Kenji Okumura: "Alteration of 1,2-Diacylglycerol Content in Myopathic Hamster Hearts During the Development of Cardiomyopathy and Heart Failure" The Cardiomyopathic Heart, 9 (1994)