1991 Fiscal Year Annual Research Report
各種尿蛋白分析法による腎組織障害部位並びに悪化,治癒判定基準の確立
Project/Area Number |
03670483
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岡田 敏夫 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70018365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲場 進 富山医科薬科大学医学部, 助手 (10159949)
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Keywords | 小児期腎疾患 / 尿蛋白分析 / 体位性蛋白尿 / 尿細管性蛋白尿 |
Research Abstract |
本年度は、まず、昭和52年度以来今日まで行ってきた各種腎疾患患児の新鮮尿について、セルロ-ズアセテ-ト膜電気泳動法により尿蛋白分析を行い、図1のごとき分類を行った。(図1) まず、尿蛋白分析パタ-ンより検討を加えた。 1;視察的評価ーまず、図1のごとく4群に分類し、さらに各群ともa,b群の亞型に分類した。 I型ーNephrotic pattern II型ーOA pattern III型ーNephrotic pattern IV型ーTubular pattern 2;次に尿蛋白分析値より腎組織所見の推定が可能かどうかについて検討した。 i)まず、尿蛋白分析値よりγーglobulin(%)を、また組織所見よりChronicity lndex・Activity Indexを算出し、両者の相関について検討した結果、極めて高い相関が認められた。 ii)小児の場合、蛋白尿単独例の症例中には、体位性蛋白尿症例が極めて多く存在し、かつ腎炎径過中の患児尿の分析にて、体位性蛋白尿パタ-ンと極めて類似するパタ-ンを示すことが知られており、この両者について尿蛋白分析像での差異について検討を行う予定である。 iii)IIIa、IIIbのいわゆるNephritic patternについては、次年度に組織所見との相関について検討予定である。 iv)IVa、 のTubular patternについては、既に我々が初めて報告した“特発性遺伝性尿細管性蛋白尿"に特有な蛋白泳動像として認めており、現在まで全国より60数例に及ぶ症例を集績し、現在検討中である。 次年度は、本法を用い、腎疾患治療期の尿と腎疾患の既往のない体位性蛋白症例の尿蛋白分析にて両者の鑑別が可能かどうか、また、組織学的治癒判定が可能かどうか検討を行う予定である。
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[Publications] 稲場 進,岡田 敏夫: "健康診断における尿検査ー小児の場合ー 尿蛋白・潜血陽性者の診断の進め方" 臨床透析. 7月印刷. 86-91 (1991)
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[Publications] 稲場 進,岡田 敏夫: "各種腎組織所見における画像解析を用いた定量的解析" 腎と透析. 31. 417-420 (1991)
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[Publications] 稲場 進,鈴木 好文,岡田 敏夫: "先天性近位尿細管機能異常症" 小児科. 32. 1509-1514 (1991)
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[Publications] 岡田 敏夫: "モダンクリニカルポイントー小児科ー “尿から学ぶもの"" 金原出版, 277(206-207) (1992)
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[Publications] 岡田 敏夫: "必修小児科学(改訂第3版)分担・泌尿器疾患" 南江堂, 829(646-670) (1991)