1992 Fiscal Year Annual Research Report
うっ血性心不全におけるNaポンプ及び交感神経受容体測定とジギタリス療法への応用
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03670501
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Research Institution | Niigata University School of Medicine |
Principal Investigator |
内山 聖 新潟大学, 医学部, 教授 (80108050)
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Keywords | うっ血性心不全 / Naポンプ受容体 / 交感神経受容体 / ジギタリス療法 |
Research Abstract |
1.当初の計画からの変更点 1)心不全の有無をMモード心エコー法の成績のみで判断しようと試みたが、年齢差や個人差に加え、臨床所見や今回測定した交感神経受容体の成績と理論にあわないズレが出てきた為、一般臨床で行われているように臨床症状を重視することにした。 2.今年度の成果 前年度、対象症例が少なく、また、一部の検査項目が実情にそぐわなかったため、今年度はより臨床に直結した形式で研究を遂行した。 1)リンパ球交感神経β受容体数が心不全の程度と細かに関連して変動した。したがって今後、リンパ球β受容体測定が新たなうっ血性心不全の指標となりうる可能性が示唆された。 2)赤血球膜Naポンプ受容体数は、予期していたほどの変動は示さなかった。ジギタリス療法開始後、受容体数は減少したが、心不全の改善の伴う変化ではなく、(文献的に)ジギタリス剤の直接効果によると考えられる。また、動物実験で細胞レベルで判明しているNaポンプの動きは、今回の臨床レベルの研究では観察されなかった。 3.今後の問題点(期待される点) 対象例数を増し、今回観察されたリンパ球β受容体の変動が他のどの因子(うっ血性心不全の様々な臨床症状)と最も関連するのかを明らかに出きれば、今まで経験や主観に頼りがちであった分野に、客観的な裏付けが出来ることになろう。
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[Publications] Makoto Uchiyama Hiroshi Hayakawa Teruyuki Ogawa: "Alpha-and beta-adrenergic receptors in children with essential hypertension(測定方法の確立)" Acta Paediatrica Japonica. 34. 511-515 (1992)
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[Publications] Makoto Uchiyama: "Na Pump and adrenergic receptors in children with congestive heart failure" Acta Paediatrica Japonica.