1991 Fiscal Year Annual Research Report
IgA腎症の発症・進体展に関与するウイルスの役割についての病態病理学的研究
Project/Area Number |
03670502
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 仁 福島県立医科大学, 医学部・小児科学, 教授 (80045682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 順造 福島県立医科大学, 医学部・小児科学, 講師 (20171217)
弓削田 英知 福島県立医科大学, 医学部・小児科学, 講師 (90136995)
加藤 一夫 福島県立医科大学, 医学部・小児科学, 助教授 (40136990)
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Keywords | IgA腎症 / エンテロウイルス / 遷延感作 |
Research Abstract |
IgA腎症の実験モデルを作成する目的で、マウスにウイルスを接種して、組識学的ならびにウイルス学的検討を行なった。腎炎作成のために、4週齢マウスにCox.B4 virusを1カ月間隔で5回静脈内接種した。最終接種1カ月後(6カ月齢)より1カ月間隔で12カ月間にわたり腎および血液を採取した。腎は光顕(HE,PAS,Azan染色)、蛍光抗体法(IgG,IgA,IgM,C3,virusーAg)および電顕にて検討した。血液はウイルスの中和抗体価と血清IgG,IgA,IgM値を測定した。メサンギウムの増殖ならびに同部へのPAS陽性沈着物は、検討の終了した10カ月齢まで増強した。蛍光抗体法では6カ月齢はIgG優位でmesangial patternに染色されたが、8,9カ月齢になるとIgAが同等あるいは優位となり、以後は常にIgAが同様染色態度で優位に染色された。virusーAgは10カ月齢まではすべて2(+)で、変動は見られなかった。電顕では光顕でのPAS陽性沈着物に一致してメサンギウム領域にelectron dense depositsが認められ、一部内皮下および上皮下にも存在した。血清IgG,IgM値は、コントロ-ル群に比較して常に高値であり、加齢とともに上昇した。血清IgA値は、コントロ-ル群が加齢とともに上昇するのに比し、7カ月齢以降急速に上昇し8カ月齢でほぼ最高値となり、以後ほとんど変動を示さなかった。ウイルス抗体価は、11カ月齢まではゆっくり上昇した。以上から、ウイルスの遷延感作によってIgA腎症とほぼ同様の腎炎が生ずることが明らかとなり、実験モデルとしての可能性が高まったものと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 神山 諭: "Coxsackie B_4ウイルスによる実験的腎炎ーウイルスの頻回接種による腎糸球体変化ー" 日本腎臓学会誌. 32. 939-948 (1990)
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[Publications] 鈴木 仁: "ウイルス(糸球体腎炎)" 腎と透析. 31. 255-259 (1991)
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[Publications] 久米 一成: "ウイルス性腎炎の研究(第14報)" 第34回日本腎臓学会総会予稿集. 290 (1991)