1991 Fiscal Year Annual Research Report
抗血小板血栓剤の開発を目的とした血小板粘着反応の分子機作の解析
Project/Area Number |
03670505
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
藤村 吉博 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (80118033)
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Keywords | フォンビルブランド因子 / 抗GPIbモノクロナ-ル抗体 / ボトロセチン / リストセチン |
Research Abstract |
血漿フォンビルブランド因子(vWF)と血小板膜糖蛋白(GP)Ibの結合反応をin vitro 系で再現する事は傷害血管壁へのvWFの結合,それにひき続く血小板粘着反応,そして血小板血栓形成を解析する上で極めて重要である。私はこのvWFーGPIb結合反応をin vitroで惹起せしめる蛇毒ボトロセチンを純化精製し,これを用いて上記反応をin vitroで解析しつつあるが,最近vWFの先天性機能異常症であるフォンビルブランド病(vWD)の中で代表的なtype IIA及びIIBvWDにおいて,両者の“異常"vWFは純化ボトロセチンとの結合が正常人vWFと殆ど差異なくおこる事,しかし生じたボトロセチンーIIAvWF及びボトロセチンーIIBvWF“活性化複合体"のGPIbへの結合親和性には大きな差異がある事をビオチンラベルしたボトロセチンを用いて証明した。またvWFーGPIb結合反応は抗生物質の一種リストセチンによっても生ずるが,抗GPIbモノクロナ-ル抗体(OPEー1)は従来報告されている抗GPIbとは明らかに異なった性質を有し,リストセチン依存性のvWFーGPIb結合を強く抑制するも,ボトロセチンによって誘導されるvWFーGPIb結合反応に対する阻害は殆どない事を証明した。これは即ち,両結合惹起物質で引きおこされる血小板膜レセプタ-GPIb上のvWF結合部位が異なった所にある事を示唆するものである。一方,リストセチンは全く非生理的物質であるが,ボトロセチンはそのアミノ酸一次構造において生体の血管内皮下組織と一部相同構造を持っている事が明らかにされているので,ボトロセチンとvWFの結合部位の同定,そしてボトロセチンーvWF“活性化複合体"のGPIbでの結合部位の解析を現在進めているところである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Nishie,Y.Fujimura,S.Nishida,I.Takeda,A.Yoshioka,H.Fukui,Y.Tomiyama,Y.Kurata: "Antiplatelet glycoprotein Ib Monoclonal antibody (OpーF1) tolally abolisks listcetinーinduced von Willebrand factor binding,but has minimal effect on the botrocetinーinduced binding." Hemostasis. (1992)
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[Publications] Y.Fujimura,S.Miyata,S.Nishida,S.Miura,M.Kaneda,A.Yoshioka,H.Fukui,M.Katayama,E.G.D.Tuddenham,Y.Usami,K.Titani: "The interaction of botrocetin with nomal or variant von Willebrand factor (types IIA and IIB) and its inhibition by monoclonal antibodies that block receptor binding" Thronbosis and Haemostasis. (1992)
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[Publications] Y.Fujimura,K.Titani: "Structure and function of von Willebrand factor:Haemostasis and Thnombosis 3rd Editor" Chunchile Livingstone (London) Editors:A.L.Bloom,C.D.Foles,D.P.Thomas,E.G.D.Tuddenham, (1992)