1991 Fiscal Year Annual Research Report
質量分析計によるプロスタグランディ-ン微量測定を用いた運動誘発性喘息の機序解明
Project/Area Number |
03670508
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
永倉 俊和 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30125025)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 直哉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80215623)
正木 拓朗 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00119851)
|
Keywords | TXB_2 / PGE_2 / PGF_<2α> / 6ーketoーPGF_<1α> / 運動誘発性喘息 |
Research Abstract |
質量分析計(GC/MS)により運動誘発性喘息の血中プロスタグランディン,トロンボキサンを測定した。対象は運動誘発性喘息(E1A)陽性の喘息児である。運動負荷テスト前の12時間はすべての薬剤を中止した。運動負荷テストはサイクルエルゴメ-タ-を用い,負荷量は.0.035キロポンド/kg×60γpm×6分間とした。肺機能はオ-トスパイロメ-タ-を用い,経時的に測定した。採血は肘静脈より,駆血しないように行い,抗凝固剤としては3.8%のクエン酸ナトリウムを使用した。 GC/MSによる測定はSIM法によった。イオン化には電子衝撃イオン化を行った。測定サンプルの誘導化としては,カルボキシル基をジアゾメタンによりメチルエステルへ導いた。この時,ピラゾリン誘導体を形成させないため-20℃で反応させた。カルボル16基を有するPGEはβーケト-ル構造をもつため,オキシム誘導を行った。無水プリジン中にて,カルボニル化合物と,Oーアルコキンアミン塩酸塩を50〜60℃,1〜2時間,加温した。水酵基はトリメチルシリル化を行った。 内部標準としては各プロスタグランディン,トロンボキサンの重水素標示体(d5体)を加えて行った。GC/MSの測定状件は,Heガス1.2ml/分,インジェクタ-は100℃,昇温は8℃/分,キャピラリ-カラム(DB1)を用いた。 結果は,以下の如くである。E1A陽性群(n=5)では,運動負荷5,30分後ではトロンホキサンB_2,プロスタグランディE_2,F_<2α>,6ーケトプロスタグランディンF_<2α>が上昇した。一方EIA陰性群(n=4)では,PGE_2のみ上昇した。気道収縮作用を有するTXB_2,PGF_<2α>のE1Aの機序への関与が示唆された。PGE_2は,非特異的に上昇する事が,判明した。
|
Research Products
(1 results)