1993 Fiscal Year Annual Research Report
小児期の各種病態と活性酸素の係わりについて-特に新生児仮死とホモシスチン尿症において
Project/Area Number |
03670513
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
荻原 享 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00211128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美濃 真 大阪医大, 医学部, 教授 (70090206)
北川 真 大阪医大, 医学部, 講師 (70175298)
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Keywords | アラントイン / RDS / 呼吸窮迫症候群 / ホモシスチン尿症 |
Research Abstract |
1)新生児呼吸窮迫症候群(RDS)におけるラジカル関与についての研究 呼吸窮迫症候群(RDS)に代表される新生児呼吸障害の治療では高濃度酸素投与が不可欠であり、その病像の修飾にはフリーラジカルが大きな役割をはたしている可能性がある。しかしin vivoでのラジカル傷害証明の困難さから、実際ラジカルが関与していることの証拠さえ未だ得られていないのが現状である。尿酸はアスコルビン酸に匹敵する抗酸化物質と考えられており、霊長類以上の高等哺乳類では尿酸をアラントインに変換するウリカーゼ活性を失っているため血中に高濃度の尿酸を保持する結果となり、アスコルビン酸合成能の喪失を補うかのようにアスコルビン酸の抗酸化作用の一部を代償するようになったとする説もある。従ってその酸化生成物アラントインの生成は、尿酸が自己犠牲型の抗酸化剤として自ら酸化されたことの間接的な証明となり、生体内オキシダント発生のマーカーとして注目されている。われわれはアラントインが呼吸窮迫症候群(RDS)では有意に上昇していること、またRDSの中でも慢性肺疾患に進展した未熟児では有意に高値であることを見い出した。この結果より新生児呼吸窮迫症候群においてはラジカルが病像の進展に関与している可能性が示唆され、以上の成果は現在Journal of Pediatrics誌に投稿中である。 2)ホモシスチン尿症に関する研究 ホモシスチンは微量金属共存下でスーパーオキサイドを生成し、それより派生したラジカルがLDLの過酸化変性を引き起こし、本症の早発性動脈硬化の発生に関与している可能性があること、さらにこの過酸化はビタミンEによって阻止できることが明らかとなり、現在この論文は、Free Radical Research誌において印刷中である。
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Research Products
(1 results)