1992 Fiscal Year Annual Research Report
尋常性乾癬における細胞膜を介する情報伝達機構の研究
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03670519
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
飯塚 一 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90113513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英俊 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00216748)
筒井 真人 旭川医科大学, 医学部, 講師 (10172032)
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Keywords | TPA / プロテイン キナーゼ / インボルクリン / 表皮 / 乾癬 |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、乾癬表皮とTPA処理表皮の類似性が明らかになっている。TPAは、proein kinase C の活性化を介してその作用をあらわすが、本年度はTPA作用の解析をインボルクリンの発現をモニターすることにより行った。インボルクリン蛋白の遺伝子は、既にクローニングされているが、我々は、本遺伝子5′上流領域を約900bp最初のexonまでCATベクターに接続し、CAT assayを行った。その結果、インボルクリン遺伝子の発現がTPAにより誘導されること、この作用が他のprotein kinase C activatorによってひきおこされること、さらに、protein kinase C 阻害剤はインボルクリンの発現を抑制することが示された。TPAは、Jun/Fos複合体を介してTPA respouse element(TRE)に働き遺伝子発現を制御することが知られている。我々の系でもTPAによるインボルクリンの発現増強はJun/Fos両者のcotransfectionではおこるが、各々、単独ではおこらないことが示された。glucocorticoidはTREを介する制御系に対し、抑制的に働くことが知られている。我々の系でもglucocorticoidによる類似の抑制効果が示された。さらにTREに相当する塩基配列も、インボルクリン5′上流subclone領域内に数ヶ所固定された。以上の結果は、TPAがprotein kinase C を活性化し、TREに働いてインボルクリンの誘導をおこしていることを示すものである。乾癬表皮の周辺帯の組成はインボルクリンのアミノ酸組成と酷似しており、乾癬におけるprotein kinase C の活性化がインボルクリンの誘導に働いているものと推定される。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] H.Takahashi: "Analysis of the 5′-upstream promoter region of human involucrin gene" J Invest Dermatol. 100. 10-15 (1993)
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[Publications] H.Iizuka: "Decreased Cu,Zn-superoxide dismutase activity in psoriatic hyperproliferative epidermis" Eur J Dermatol. 3. 56-58 (1993)
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[Publications] H.Iizuka: "psoriasis involucrin and protein kinase c" Int J Dermatol.
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[Publications] Y.hashimoto: "Flow cytometric analysis of pigepidermal keratinocytes:effects of tape stripping" J Dermatol Sci. 4. 193-201 (1992)
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[Publications] 飯塚 一: "phospholipase A_Z 活性の上昇からみた乾癬" 皮膚臨床. 33. 1015-1023 (1991)
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[Publications] 飯塚 一: "表皮細胞増殖とSOD" J Act Oxyg Free Rad. 3. 313-321 (1992)
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[Publications] H.Iizuka: "The Biology of the Epidermis" Elsevier, 228 (1992)
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[Publications] 飯塚 一: "SODの基礎と臨床 皮膚疾患とSOD" メディカル トリビューン, 142 (1992)