1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670522
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
上田 惠一 福井医科大学, 医学部, 教授 (00079906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 重光 福井医科大学, 医学部, 助手 (50207726)
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Keywords | 角化性皮膚疾患 / 移植キメラ / 機能形態学 |
Research Abstract |
角化性皮膚疾患病巣移植キメラについて、(1).尋常性乾癬、(2).尋常性魚鱗癬、(3).尋常性疣贅、(4).伝染性軟属腫、(5).有棘細胞癌、(6).手包癌、(7).基底細胞癌などに対象をしぼって移植し、検討している。病巣を追加して検索中であり、いずれも5病巣に達しないが、結果については病巣ごとに纒めて、機能形態学的に検討を続け、論文として公刊する準備をしている。結果は、尋常性乾癬では昨年度に典型的な病巣の再現が得られないことを報告したが、移植方法を包埋法に変更して新しく行い検討している。本方法では表皮、真皮、血管系についても観察でき、角化過程と共に間葉系と上皮系の関係についても検討することができることが認められた。尋常性魚鱗癬では昨年度から病巣を追加して包埋法で行い、昨年度までに得られた結果と比較検討している。尋常性疣贅は昨年度から追加して検討している。感染表皮細胞の生存がBrdU法によって認められ、抗ウイルス剤または抗腫瘍剤の効果について検索中である。伝染性軟属腫では前回、生着した感染細胞の経過が興味ある所見を示すことを報告したが、従来の報告とは異なり今後も検討して確認したいと考えている。有棘細胞癌ではすでに電顕的所見については報告しており、さらにBrdU法の結果と関連させて増殖と分化の面から機能形態学的に解析し、公刊する。手包癌では病巣よりも手包角化が著明になり、分化の面から興味ある所見が得られている。基底細胞癌では上皮系と間葉系の関連、特に真皮表皮接合の所見から増殖浸潤の過程と細胞活性の関係について検討している。これらの腫瘍については光線力学的療法、レーザー温熱療法、またグルタールアルデハイド療法について検討を進めている。角化性皮膚疾患移植キメラは機能形態学的検討で病態を明確にすると共に病態の明らかな角化性皮膚疾患移植キメラは臨床的応用が可能であり、治療面にも還元できることが認められた。
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