1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670531
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高森 建二 順天堂大学, 医学部, 助教授 (40053144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 良治 順天堂大学, 医学部, 講師 (70221421)
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Keywords | 皮膚プロテア-ゼ / 皮膚プロテアソ-ム / セリンプロテア-ゼ / 高分子量蛋白分解酵素 / プロテアソ-ム |
Research Abstract |
表皮ケラテノサイトは基底細胞で分裂後,有棘細胞,顆粒細胞と分化してゆく過程で種々の同化・異化作用を受け,最終的には角質細胞へと分化してゆく。この分化過程にプロテア-ゼが重要な役割を演じていることが推定される。今回は、細胞内機能蛋白質のプロセッシングに関与していると思われるプロテアソ-ムをラット皮膚より分離精製後,その性質について検討した。(1)分離精製:ラット皮膚をホモジナイズ後,硫安分画(30ー40%),フェニルセファロ-スCL4B疎水性クロマトグラフィ-,HPLCゲル瀘過にて精製した。分子量は約75万(ゲル瀘過),電気泳動では単一バンド,SDS電気泳動では分子量2〜3.5万の間に4〜5本のバンド,2次元電気泳動ではpI3〜10の範囲に15ー20個のコンポ-ネントとして認められた。電顕では,分子の中心に30ー50Åの穴を有するド-ナツ型,左右対称構造の直径150Åの環状粒子であった。(2)性質:(4)セリンプロテア-ゼの基質(SLLUT)に最も高い基質特異性を示した。(2)陰イオン界面活性剤のSDS,飽和脂肪酸のパルミテン酸,不飽和脂肪酸のアラキドン酸などにより強く活性化された。(3)二価金属イオンのCa^<2+>では活性化されたが,Cu^<2+>,Co^<2+>,Hg^<2+>,Zn^<2+>では不活化された。(4)セリンプロテア-ゼ阻害剤DFPにより強い活性阻害が,システインプロテア-ゼ阻害剤のNEM,IA,ロイペプチンやセリン・システインプロテア-ゼ活性阻害剤のキモスタチンにより活性阻害が認められた。(5)40℃までは熱安定性を示したが,60℃,30分の加熱により失活した。 以上の結果は,皮膚プロテアソ-ムは,セリン残基とシステイン残基を活性中心に有するプロテア-ゼであり,Ca^<2+>と脂肪酸(飽和,不飽和)によりその活性が制御されている可能性を示している。
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Research Products
(1 results)