1992 Fiscal Year Annual Research Report
ECT受容体イメージング解析法のための精神神経疾患モデル動物を用いた基礎実験
Project/Area Number |
03670542
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森 厚文 金沢大学, アイソトープ総合センター, 教授 (90019604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 日出喜 金沢大学, 医学部・付属病院, 講師 (50161518)
松田 博史 金沢大学, 医学部・付属病院, 講師 (90173848)
柴 和弘 金沢大学, アイソトープ総合センター, 助手 (40143929)
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Keywords | エミッションCT / 受容体 / オートラジオグラフィ / 疾患モデル動物 / 精神分裂病 / 抗精神病薬 / 放射性医薬品 |
Research Abstract |
ECT(エミッション・コンピュータ断層)受容体イメージング解析法の確立のため、精神神経疾患モデル動物及び抗精神病薬投与動物を用いたインビボ実験並びにRI標識化合物合成の基礎的研究を試み以下の結果を得た。 1.精神分裂病モデル動物(ラットの前頭葉を6-OHDAで破壊して作成)においてI-125IMPを用いたオートラジオグラフィ法による局所脳血流測定を行なった結果、前部帯状回皮質、側坐核、尾状核一被殻において血流が増加した。内側前頭前皮質の血流に低下が認められなかったことは、精神分裂病疾患の脳血流や脳代謝にみられる前頭優位性の減退が中脳皮質ドーパミン系の機能低下に基づくものでないことを示唆する。 2.定型抗精神病薬(ハロペリドール)、非定型抗精神病薬(クロザピン、リスペリドン、RMI)によるD1,D2,5-HT2受容体結合占有率をラット用いたインビボ法で測定、比較した。その結果、D2受容体占有率は、定型抗精神病薬の方が高値を示したのに対し、D1、5HT2受容体占有率は非定型抗精神病薬の方が高値を示した。これらの結果は臨床的な治療効果(有効性及び副作用)とよく一致しており、インビボ法はより優れた抗精神病薬を開発する方法として優れていると考えられた。なお、速度論的解析は、受容体占有率による評価より多くの情報を提供すると共にECTイメージング解析に応用可能と考えられ、速度論的解析について現在検討中である。 3.SPECT用Tc-99m標識薬剤の合成に必要な二官能性キレート剤としてのジアミノジチオール(DADT)類は、従来の方法では最終段階で苛酷な反応条件で還元するためDADT類自体を化学反応させてしまう場合があった。そこで合成法の改良を加え、化学的に不安定な官能基(エステル等)を有するDADT類の合成を行ない動物実験等で良好な結果を得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shiba K.: "Synthesis and characterizatio of Tc-99m-p-halophenethyl diaminodithiol analogs" Nucl.Med.Communications. 19. 303-310 (1992)
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[Publications] Sumiyosi T.: "Time Course of Dopamin-1,2 and Serotonin-2 Receptor Occupancy Rates by Haloperidol and Clozapin in Vivo" Japan.J.Psychiat.Neuro1.(1993)