1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670548
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本田 浩 九州大学, 医学部, 助手 (90145433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一矢 有一 九州大学, 医学部, 講師 (00117425)
鬼塚 英雄 九州大学, 医学部, 助教授 (90136440)
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Keywords | 腎 / 尿細管障害 / MR / GdーDTPA / 腎機能 / 腎糸球体障害 |
Research Abstract |
本研究は,核磁気共鳴(MR)とMR用造影剤(GdーDTPA)を用い,腎糸球体障害と尿細管障害の鑑別ならびにその障害程度の評価を目的として進行中である.MR画像の短時間撮像が可能である方法としで,グラディントエコ-法によるGRASS画像とスピンエコ-法によるshortT1画像を採用した.それぞれの画像でGdーDTPAの濃度差による信号強度曲線を作成し,ダイナミックスキャンに最適な撮像条件を確立した.これらの条件でMR画像を撮像し,正常腎機能を有する症例で腎髄質内に濃縮されたGdーDTPAによる帯状の低信号域が出現することも確認された.しかし臨床応用に対しては,GRASS画像の方がshortT1画像に比較し,より多くの情報が得られてダイナミックスキャンに適していることが判明した.その理由として良好な濃度分解能が得られること,撮像時間が短いこと等があげられる.そこでこのGRASS法を中心として,腎疾患を有しないウサギに対しGdーDTPA静注量と脱水時間を変更しながらMR画像を撮像し,尿細管濃縮能を評価するのに適当なGdーDTPA投与量および検査前脱水時間を決定した.このGdーDTPA投与量が腎機能に影響しない量であることを現在確認中である.さらに,ウサギに薬剤を用い,尿細管障害を発生させることが可能となり,上記の結果をもとに撮像したダイナミックMR画像と同時期の生化学所見,腎レノグラムとの比較が進行中である.また他剤により糸球体障害を発生させることも可能となった.臨床的に鑑別の重要なこれら2種類の腎疾患のMR画像の比較も現在進行中であり成果がまとまりしだい報告の予定である.
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