1992 Fiscal Year Annual Research Report
門脈枝内無水エタノール注入による選択的肝区域硬化術の基礎的並びに臨床的研究
Project/Area Number |
03670550
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
水口 和夫 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (50145794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 澄夫 大阪市立大学, 医学部, 助手 (40187951)
中村 健治 大阪市立大学, 医学部, 講師 (00145781)
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Keywords | 肝細胞癌 / 肝区域硬化術 / 無水エタノール / interveutional radiology / 経皮経肝門脈造影 |
Research Abstract |
Wister系雄ラットの腹腔内に継代培養した腹水肝癌(AH130)を腹腔内より腹水とともに採取し、麻酔下に開腹したWister系雄ラット(体重350-600g)の上腸間膜静脈内に注入した。1週間後には全例に肝内に多数の白色結節の腫瘍巣が見られた。これら担癌ラットを麻酔下に開腹し、2Frカテーテルを腸間膜静脈末梢から担癌門脈内に進めてwedge状態にし無水エタノールを急速注入した。注入2日後に屠殺して肝を摘出し注入部と非注入部の腫瘍の検討により、エタノール注入区域内の腫瘍及び非癌肝部に壊死が確認された。しかし非注入部では腫瘍及び非癌肝部には変化を見なかった。即ち、組織学的には腫瘍結節は主として小葉内に認められ、その内エタノール非注入区域よりの標本での腫瘍は主に肝類洞内を中心に発育増殖し、周囲肝細胞索を圧排していた。一方、エタノール注入治療された区域での腫瘍結節では大型で円形ないし不整な形の核を有する腫瘍細胞も少数散在するが、ほとんどの腫瘍細胞は小さくなり濃縮した核で細胞質は泡状ないし不明瞭となり変性像を呈していた。これら腫瘍細胞間には細い繊維の軽度増生が見られた。また、既存の肝細胞が少数だが取り残されたようにこれら変性した腫瘍細胞間に介在していた。なお、エタノール注入区域での腫瘍結節の大きさはエタノール非注入区域のそれに比して、小さいとの傾向が見られたが、これは癌細胞の変性・縮小のみだけでなく、壊死脱落も関与したものと思われる。この変性の目立つ腫瘍結節に接する周囲非癌肝組織の肝細胞も、やや細く萎縮性であったが、その他の肝組織はクッパー細胞の胞体に軽度泡沫化を見た以外に特記すべき所見は見られなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Minakuchi et al.: "Intva-arterial digital subtraction patogaphy with a blood-isotonic,non iaric dimeric contrast medium" Radiation Medicine. 11. 43-48 (1993)
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[Publications] K.Nakamura et al: "Clinical evaluation of intermittent artevial infurin cbemothrapy with an implanted reservoir for hepato cellular carcinema." Cancer Chemother Phorndcol. 31. 93-98 (1992)
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[Publications] K.Minakuchi et al.: "clinical evalnation of interventional radiology for renal cell carcinema in 100 pationts" Osaka City Medical J.38. 137-148 (1992)
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[Publications] K.Minakuchi et al: "Hepatocellular carcinonee,associated with plyarterits nodosa with symptoms appeariy after intra-aitenal chemotherapy." Birt.J.Radiology. 64. 272-275 (1991)
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[Publications] K.Minakuchi et al: "Venograplry ander fluoraseopie mnitoring by digital subliastion opparaters" Radiation Medicine. 9. 95-97 (1991)
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[Publications] K.Fujimoto et al: "Anjioscopy of the inforiar vend cavorpreliminary obereations in cases with involvement by neoplams." J.Voscular,Intervent Radiol.2. 371-374 (1991)