1991 Fiscal Year Annual Research Report
不登校を示す持続性睡眠・覚醒リズム障害発現の頻度とその要因
Project/Area Number |
03670561
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 龍朗 名古屋大学, 医学部, 講師 (00109323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 雄一郎 名古屋大学, 医学部, 講師 (80135334)
岡田 保 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00023771)
粥川 裕平 名古屋大学, 医学部, 助手 (20214570)
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Keywords | 不登校(登校拒否) / 持続性睡眠・覚醒リズム障害 / 睡眠相後退症候群 / 非24時間睡眠覚醒症候群 / 深部体温(直腸温) / 睡眠ポリグラム / 発現頻度 / 思春期・青年期 |
Research Abstract |
睡眠・覚醒リズムの障害によって不登校・登校拒否状態あるいは学業不振となる思春期・青年期の症例がわが国で報告されて10年余になるが、一方、日本人の平均入眠時刻と平均総睡眠時間は、5年ごとの調査によると次第に「宵型化・短縮化」の傾向を認める。 ところで、このような障害がどの程度の頻度で発症しているのか、すなわち有病率または罹患率はどうなっているか、またどのような要因によってこの障害が発生するのかなどについては、内外を問わず報告がなく,明らかにされていない。そこで我々は、これらの点を明らかにする目的で本研究を設定した。 研究の中心は、思春期すなわち中学校、高等学校の生徒および大学生を対象に、登校状況と睡眠覚醒行動を中心とした生活時間状況の2つを軸とした調査表による実態調査に置くことにした。この調査表の作成に際し、持続性睡眠・覚醒リズム障害をはじめて報告したニュ-ヨ-クのMantefiore Medical Centerのグル-プ(現在研究代表者はM.J.Thorpy M.D.)が、本研究と同様に中学校、高等学校の生徒を中心に調査した研究(未発表)に用いた質問表を入手し、わが国の実情に合わせて一部改訂したものを作成して用いることにした。こうすることで,日米の比較研究が容易になり、より成果が見込まれるものと考えらられたからである。 質問は全部で26項目になったが、それに本障害関連の家族歴の調査項目および簡単なうつ病評価尺度を含めた質問項目からなる質問表が完成した。この調査表を用いて、先ず名古屋市と尾張東部に分布する高等学校の生徒を対象に、必匿性に充分配慮したうえで調査を依頼した。現在調査が進行中であり、結果の分析は次年度に亘る予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 太田 龍朗: "睡眠相遅延症候群とその関連障害" CLINICAL NEUROSCIENCE. 9. 515-517 (1991)
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[Publications] 太田 龍朗: "睡眠相後退症候群" 臨床精神医学. 20. 1442-1443 (1991)
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[Publications] T.Ohta: "Treatment of Persistent SleepーWake Schedule Disorders in Adolescents with Methylcobalamin(Vitamin B_<12>)" Sleep. 14. 414-418 (1991)
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[Publications] 太田 龍朗: "睡眠障害のトピックスー新しい治療法の試み" 治療. 74. 689-698 (1992)
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[Publications] Ohta,Tatsuro: "Daily Activity and Persistent SleepーWake Schedule Disorders" Progress in NeuroーDsychopharmacology & Biological Psychiatry. 16. (1992)
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[Publications] Tatsuro Ohta: "Biological Psychiatry,Volume 1" G.Racagni et al.,(ed)Elsevier Science Publishers B.V., 791-793 (1991)
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[Publications] 千葉 喜彦,高橋 清久(編),太田 龍朗: "時間生物学ハンドブック" 朝倉書店, 558 (1991)