1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670572
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
竹田 稔 昭和大学, 医学部, 助教授 (50110896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門福 強樹 昭和大学, 医学部, 助手 (00152760)
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Keywords | 中枢神経 / 胎児脳 / Aging / 50Kタンパク質 / 一次構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は加齢に伴う中枢神経障害を脳のタンパク質の質的、量的変化、並びに核酸レベルの動態から解明することである。胎児から老齢に至るラット脳のタンパク質の変動について調べてみると、SDSーPAGE上、数種類のタンパク質がAgeーdependentに存在している。特に出生直前の胎児では80K,50K,40Kおよび34Kタンパク質が特徴的であるのに対し、老齢では78K,38K,33Kが特異的に認められる。本研究ではこれらのAgeー特異的タンパク質の中で量的に最も多い胎児50Kタンパク質について以下の点を解明した。 (1)50Kタンパク質の精製:胎児脳ホモジネ-トよりシナプトソ-ム画分を分離、低張処理後の可溶性画分を凍結乾燥標品にする。これを調整用SDSーPAGEにて泳動し、分子量5万の部分を切り出し、溶出後、Se phadex Gー50にてゲルロ過を行ないVoid Volume部分を集め分析した。 (2)50Kタンパク質の性質:上記方法にて精製した50Kタンパク質は分析用SDSーPAGEで単一バンドとして認められる。PAS染色にて染色されず、糖鎖は含まない。 (3)50Kタンパク質の部分一次構造:本タンパク質をTPCKーTrypsinに消化し、ODSー120Tカラムによる逆相HPLCにてペプチドマップを作成後、いくつかのペプチドのアミノ酸配列をアミノ酸シ-クエンサ-で求めた。この結果、NーPheーIleーLeuーValーPheーLeuーGlnーProーPheーAsnーMetーAspーPheーValーTrpーーーーの配列を持った疎水性アミノ酸に富む部分が同定された。これについてのホモロジ-検索を行なった結果、全く新いタンパク質であることが判明した。 本タンパク質の生理機能とAgingとの関連については今後の課題である。
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