1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670572
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Research Institution | SHOWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹田 稔 昭和大学, 医学部, 教授 (50110896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門福 強樹 昭和大学, 医学部, 助手 (00152760)
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Keywords | 胎児脳 / Aging / 神経細胞分化 / シナプス / 突起伸展 / 疎水性アミノ酸 / 中枢神経障害 / 50Kタンパク質 |
Research Abstract |
1.研究目的 本研究の実施に当たり、その目的としたところは高齢化社会を迎えるに当たり老化に伴う種々の中枢神経の障害をシナプスを形成するタンパク質の量的、質的変動に根拠を求め究明することであった。特に我々は分子量5万のタンパク質が胎児期、若年期に特異的に存在し、加齢に伴って減少、消失することを明らかにしていたので、本タンパク質を精製し、その一次構造と生理機能を明らかにすることを主たる目的とし、更にAgingによる詳細な動態と、種々のガン遺伝子産物との関連についても解明することを試みた。 2.研究実施経過と研究成果 (1)50Kタンパク質の性質:ラット脳シナプトソームからゲル濾過、電気泳動法を組み合わせて精製した50Kタンパク質はSDS-PAGE上単一バンドまで精製され、分子量は5万、糖鎖は含まない。本分子内に約15残基の疎水性アミノ酸の連続したシークエンスがあり、膜結合あるいは膜貫通性のタンパク質である可能性が示唆された。更に、本タンパク質の20残基のアミノ酸配列のconputer searchでは、同一のタンパク質の報告は現在のところない。 (2)50Kタンパク質の作用:本タンパク質を培養神経細胞に作用させると10^<-8>Mの濃度で細胞増殖活性と神経突起伸展活性を示した。 (3)Agingとの関係:本タンパク質は胎児期に特徴的で老齢脳(1年以上)では認められない。以上の研究成果は本タンパク質が神経の成長と分化に関与することを示唆するものであり、遺伝子の発現と合わせて今後の研究に期待されることが大ある。
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