1991 Fiscal Year Annual Research Report
ウォ-タ-ジェット血管形成術の臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
03670583
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
岩崎 甫 山梨医科大学, 医学部, 講師 (90143445)
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Keywords | ウォ-タ-ジェット / 血管形成術 / 閉塞性動脈硬化症 |
Research Abstract |
1、WaterーJetシステムの作成:比較的高圧の水流を得ることを目的としてシステム本体には高圧マイクロフィ-ダ-(古江サイエンス:JPーH5)を用い、実験には試作用WaterーJet血管形成術用カテ-テル(クリニカル・サプライ)を使用した。このシステムによれば組織破壊に必要とされる10kg/cm2の吐出圧を得ることが可能であり、以下の実験はこのシステムを使用した。 2、ヒト正常血管壁に対する影響:手術時また剖検時に得られた変化の少ないヒト大動脈を対象として正常血管壁に対する影響を調べた。吐出圧は10kg/cm2とし、照射角度を変えて空中・水中での照射を行った。空中での90度・10秒間照射では血管内壁に明かな損傷が見られ、組織学的には外膜まで及んでいた。また30度照射では内膜の剥離を生じた。一方、水中照射では一般的に血管壁に対する影響は顕著でなく、10秒間の照射でもその変化は内膜面の表層にとどまっていた。 3、硬化性病変に対する影響:同様に、剖検時に得られた完全閉塞を来したヒト腸骨動脈を照射対象として空中および水中でのWaterーJetの効果について検討した。空中での照射では血栓破壊効果はあまり強くなく、40秒間の照射でも不規則な小孔が生じたのみであった。一方、水中での破壊効果は良好で20秒間照射で血栓中央部に直径約3〜4mmの孔が生じ、40秒間照射ではほとんどの血栓が除去され、その辺縁は平滑であった。 4、まとめ:WaterーJetによる血栓破壊効果は水中における照射がより効果的で安全であることが判明し、血管形成術への応用の可能性が確かめられた。今後はカテ-テルの改良やより臨床での施行に近い形での実験を行い、このWaterーJet血管形成術の臨床での応用を試みる予定である。
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Research Products
(1 results)