1992 Fiscal Year Annual Research Report
トポI及びIIをターゲットとした新しいバイオケミカルモジュレイションに関する研究
Project/Area Number |
03670588
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平林 直樹 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (40221519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 和弘 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (50230727)
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Keywords | トポイソメレースI / トポイソメレースII / バイオケミカルモジュレイション |
Research Abstract |
平成4年度は、以下のことを明らかにした。 (1)消化器がん(食道がん、胃がん、および大腸がん)においては、正常組織より腫瘍組織においてトポイソメラーゼIIの活性が高いが、トポイソメラーゼIの活性は必ずしも高くなかった。 (2)トポイソメラーゼIIの発現量と細胞周期のS期の割合との間に有意の相関関係を認めたが、トポイソメラーゼIの発現量との間には相関関係を認めなかった。 (3)HL-60(前骨髄性白血病細胞)、SH-101(胃がん細胞)、WiDr、Colo320DM、Colo201(大腸がん細胞)に対してトポイソメラーゼIの阻害剤であるSN-38が有効にapoptosisと関連していると言われているDNAのfragmentationを誘導した。 (4)WiDr、Colo320DM、Colo201(大腸がん細胞)に対してトポイソメラーゼIの阻害剤であるSN-38で細胞処理した後、トポイソメラーゼII阻害剤で細胞を処理すれば、より有効にDNAのfragmentationの誘導が可能であった。 (5)SN-38(トポイソメラーゼIの阻害剤)の細胞周期に及ぼす影響を検討したところS期の増加とDNAの断片化を認めた。
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