1992 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内カルシウムイオンの変動を指標とした新しい制癌剤感受性試験
Project/Area Number |
03670590
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前原 喜彦 九州大学, 医学部, 講師 (80165662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 秀夫 九州大学, 医学部, 助手
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Keywords | 制癌剤感受性試験 / 細胞内カルシウム濃度 |
Research Abstract |
悪性腫瘍に対する化学療法の有効性を高めることを目的としていろいろな制癌剤感受性試験が開発され、臨床応用が試みられている。個々の癌組織の制癌剤感受性に基づいて投与薬剤を決定することは、今後の治療の進むべき方向であるが、現時点では万人が認める制癌剤感受性判定手段でない。しかし、本研究担当者はこれ迄制癌剤感受性試験の研究、開発および臨床応用に従事しており、新しい制癌剤感受性試験を開発する際に、既に得られた制癌剤感受性試験に関する知識と技術が有用な基礎となる。本研究では、従来の制癌剤感受性試験よりさらに有用な制癌剤感受性試験を新たに開発することを目的とした。制癌剤感受性の指標として、新たに細胞内カルシウムイオンCa^<2+>濃度の変動に着目し、制癌剤感受性試験としての有用性をin vitroおよびin vivoの実験系で評価する。さらに臨床応用に向けて、迅速、簡便、確実な試験方法を確立する。Ca^<2+>が細胞機能発現のためのセカンドメッセンジャーとして重要な役割を担っていることは衆知の事実である。細胞ないしCa^<2+>濃度に関しては、放射線や温熱による細胞に対するダメージは細胞内カルシウムのホメオスタシスに破綻を来たす事が報告されており、細胞の死にCa^<2+>が大きく関わっている事が知らされている。細胞内Ca^<2+>の変動が制癌剤による癌細胞の殺細胞効果とよく相関するという新知見を得て、細胞内Ca^<2+>濃度の変動が制癌剤感受性を判定する新しい指標として有用であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)