1991 Fiscal Year Annual Research Report
無腫瘤性乳頭異常分泌症の診断学的研究:乳管内視鏡による組織形態の診断
Project/Area Number |
03670592
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
岡崎 稔 札幌医科大学, 医学部・第一外科, 講師 (30160667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成松 英明 札幌医科大学, 医学部・病院病理部, 助教授 (80045343)
岡崎 裕 札幌医科大学, 医学部・第一外科, 助手 (90203976)
浅石 和昭 札幌医科大学, 医学部・第一外科, 助教授 (00045460)
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Keywords | 乳頭異常分泌 / 無腫瘤性乳癌 / 乳管内癌 / 乳管洗浄細胞診 / 乳管造影 / 乳管内視鏡 / 内視鏡診断 |
Research Abstract |
無腫瘤性乳頭異常分泌を呈し分泌物潜血反応陽性の90乳管に対し,分泌物細胞診,マンモグラフィ-,乳管洗浄細胞診,乳管造影,乳管内視,鏡検査を施行し各検査所見を組織診断の結果と対比検討した。 分泌物細胞診,マンモグラフィ-での診断率は低く,洗浄細胞診を加えることによって診断率は向上するも,部位診断・質的診断が困難であった。乳管造影は多くの例で部位診断可能であったが,乳管内微小病変の診断や確定診断が容易ではなかった。そこで,乳管内微小病変の内視鏡的診断法を確立することを目的として,乳管内視鏡所見と乳管造影所見および組織所見を対比検討した。内視鏡は外径0.45mmのsilicafiberscopeを用い,組織標本は切除検体を10%formalin固定後,幅5mm間隔のparaffin包埋ブロックに全割した。その結果,1.乳癌の特徴的内視鏡所見は乳管壁表層に沿って進展する不整な隆起性病変であり,しばしば乳管内腔面に点状出血な易出血性変化を伴う。2.それらの内視鏡所見は乳管熱影上乳管壁の不規則な変化や多発性陰影欠損像に対応していた。3.乳管内乳頭腫の特徴的内視鏡所見は主乳管もしくは比較的乳頭に近い乳管内に存在する充実性腫瘤であり,黄色,赤色あるいは混在する病変である。4.乳管内乳頭腫は乳管造影上,陰影欠損像としてみられる。 内視鏡操作の熟練によって末梢乳管まで観察可能となり,今後その内視鏡所見を解析する必要がある。乳管内視鏡については外径0.45mmの内視鏡に通気機能をもたせて,総外径0.60mmの内視鏡を作製することが可能であることが判明し,現在製作段階である。また,確定診断法としての内視鏡下微小検体採取法についてはスプ-ン型キュレット細胞診を行っていたが,適確な採取にはむしろチュ-ブ型キュレット細胞診を行うのがよいことが判明した。
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Research Products
(1 results)