1991 Fiscal Year Annual Research Report
単離細胞再集合塊からのin vitro毛根形成・液性因子の有効性の解析
Project/Area Number |
03670598
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
塩谷 信幸 北里大学, 医学部, 教授 (80050376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内沼 栄樹 北里大学, 医学部, 講師 (90146465)
猪原 節之介 北里大学, 医学部, 助教授 (90101295)
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Keywords | 毛包(毛根) / 形態形成 / 細胞分化 / 細胞培養 / ラット / 胎児 |
Research Abstract |
前年度に行なった予備的検討を踏まえながら検討を重ね,下記の通りの成果を得た。 1.胎令15日ラット胎児上唇部皮膚よりtrypsin処理により得られる解離細胞をまず24時間旋回培養し,毛包原基を再生させ,これをさらに1週間程浮遊静置培養すると,毛包原基の組織分化が進行した。 2.こうして形成した毛包の光顕的特徴と大きさは,胎令18日ラット上唇部毛包の特徴と一致した。 3.さらに毛包内の細胞の層状化と細胞分化が基本的に正常毛包のものとよく類似することを電顕観察により確かめた。 上記3項目の内容は,原著論文として発表した(研究表発の欄参照)。単離細胞懸濁液を出発材料として,100%in vitroの系で毛包を再生させることは,過去に成功例がなく,本実験系は,毛包形成の解析系として利用価値が高いと言えると同時に,臨床応用の面からも重要視されることを確認する。 4.in vitroの毛包再生が胎児皮膚に限定される現象が?,さらには,細胞培養により増殖した細胞にも,この再生能が引き続き維持されるか?について,なお系流立った検討を行ないつつある。 5.毛包に限らず諸組織の形態形成に関与する液性因子として現在注目を集めているTGFβについて,本実験系を用いてその役割の解析を計画した。現在は,その基礎的検討の1つとして,毛包形成期にある胎児皮膚中のTGFβの発現の,免疫組織学的解析,およびin situ hybirdizationによる転写レベルの解析が進行中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Setsnnosuke Ihara,Mariko Watanabe,Eriko Nagao,Nobuyuki shioya: "Formation of hair follicles from a singleーcell suspension of embryonic rat skin by a twoーprocedure in vitro" Cell Tissus Res.266. 65-73 (1991)