1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03670647
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Research Institution | kinki University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 晃 近畿大学, 医学部・第一外科, 講師 (60179736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 隆啓 近畿大学, 医学部・第一外科, 講師 (40196069)
安富 正幸 近畿大学, 医学部・第一外科, 教授 (60028438)
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Keywords | 胃癌 / 神経浸潤 / ラミニン染色 / 腹膜播種 / 再発形式 / 手後因子 |
Research Abstract |
胃癌における神経浸潤(PNI)の判定に有用な染色法を検討し、PNIと病理組織学的所見、転物・再発形式との関係および予後因子としての意義について検討した。対象は壁深達度がpm以上の胃癌切除283例で、HE染色、ラミニン染色、S-100染色、鍍銀染色を行なった。HE染色では神経線維束・神経周模がともに染色されず、S-100染色では神経線維束だけが染色され、また鍍銀染色では神経周膜だけが染色され、いずれにおいてもPNIの判定に有用であるとは言えなかった。これに対しラミニン染色では神経線維束と神経周膜が染色され、PNIの判定に最も有用であると考えられた。PNI陽性は283例中139例(49.1%)にみられた。PNI陽性の癌病巣は肉眼型は浸潤型、占拠部位は全体型、周在性は全周性に多く、組織型は未分化型、浸潤増迫様式はINFr、進行度はStageIII・IV、壁深達度はssr・seに高平にみられた。転移形式との関係ではPNIは腹膜播種をもつ原発巣の77.4%に認められ、リンパ節転移の56.3%、肺転移の28.6%に比べ高率であった。治癌切除216例のうち再発は103例で、SSr以上に高率であり、ly、n、PNIとの相関々係がみられた。再発形式のうち腹膜再発は65例(63.1%)と最も多く、さらに漿膜浸潤のないpm.ssではPNI陽性に腹膜再発が高率であり、とくにssrにおいてはPNI陽性と腹膜再発の間に有意の関係がみられた(P<0.01)。生存率についてみると、PNI陽性の5年生存率は23.7%、陰性は71.3%であり有意差を認め、壁深達度ではpm・ssにおいて有意に陽性の生存率が近かった。Coxのハザードモデルによる多変量解析ではPNIが最も強く予後に関与していた。
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Research Products
(1 results)